2024年 4月 23日 (火)

日本の銀行の業績急回復は本物か

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求
日本の大手銀行、業績の急回復は本物か?
日本の大手銀行、業績の急回復は本物か?

   日本の大手銀行の業績が急回復している。だが、これで大手銀行の収益力が回復・拡大軌道に乗ったとみるのは早計だろう。
   06年3月期第1四半期(4-6月)の純利益は、みずほフィナンシャルグループが傘下3子銀行単体合算で前年同期比83%増の2879億円となったのをはじめ、東京三菱銀行が同49.2%増の679億円、三井住友銀行も同13.6%増の1697億円を計上。951億円の赤字だったUFJホールディングスは2子銀行合算で1619億円の黒字に転換した。

不良債権縮小が急回復の最大の要因

   最大の要因は不良債権処理損失の縮小だ。みずほの場合、前年は1194億円を計上したが、それが、今回は58億円に急減。UFJも7400億円から107億円へと劇的に改善した。その一方、企業収益の好転を背景に、融資先の財務内容が改善し、過去に積み増した貸倒引当金からの「戻入れ益」が発生した。みずほ、東京三菱、UFJの3グループでは、不良債権処理損失から戻入れ益を差し引いた不良債権処理収支が逆にプラスとなり、大きく利益を押し上げた。
   しかし、手放しでは喜べない。大手銀行の業務粗利益の約6割を占め、最も重要かつ安定的な収益基盤とされる、預金と貸出金の利回り差による利益、いわゆる「資金利益」をみると、前年同期に比べてプラスとなっているのは、みずほだけ。他グループではUFJが13.9%、三井住友が13.6%落ち込んだほか、東京三菱もほぼ横ばいにとどまっている。企業の借り入れ需要が盛り上がりを欠く一方、競争激化で貸出金利回りがジリジリと下がり続けるなど、経営環境は依然としてほとんど改善されていない。

姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中