ネットジャーナリズム・アンケート結果(上)
記者会見への参加 認める企業出現
ブログはたんなる個人の意見の表明、発信というレベルを超えてきている。ひとつは影響力。耐震偽装問題などで特ダネを連発した「きっこのブログ」を筆頭に、アクセス数も1日10万を超える個人のブログ、サイトが出現してきた。もうひとつ見逃せないのは、「ジャーナリズム」化だ。
記者会見場がブロガーで埋まる日も遠くない?
ブログを書くために、メールで取材を申し込むといった人が増えている。米国では「ブロガー(ブログを書く人)をジャーナリストとして認めるか」という議論が真面目に交わされている。 最近の「ライブドア事件」では、ブロガーや中小規模のネットニュースサイトがグループや新興市場の関連企業の広報に取材を申し込むケースがあったという。こうした状況を前提にIT・情報関連企業を中心に、「ネット取材とジャーナリズムの現状」について45社・団体にアンケートを出し、15社・団体から回答を得た。
事前の申し込みと、当日の名刺提出が条件
調査結果によると、米国のように、ブロガーやネットニュースサイトが「ジャーナリズム化」している段階にはなっていないが、徐々にそうした方向に向かいつつある様子が浮き彫りになっている。
一番象徴的なのは、記者会見にブロガーやネットニュースサイトの「記者」を参加させるかどうかの問題だ。記者クラブ制度の壁もあり、これまで東証上場企業はほとんど記者会見にクラブ員以外は参加させていない。例外的に認める場合でも、業界紙など既成のマスコミで、ネット関連メディアはほとんどなかった。
ある意味で「壁」が破れつつある兆しがアンケート結果から見て取れる。
例えば、ソフトバンクがそのいい例だ。「発表会や記者会見等への参加は基本的に問題はない。ただ、出席に当たっては、事前の申し込みと、当日の名刺提出が条件になっている。現在のところ、小規模なネットニュースが参加したケースがある」