アイフル取立て危ない予感

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   悪質で強引な貸金回収を理由に、金融庁から全店の業務停止命令を受けた大手消費者金融のアイフルは、無担保・無保証の借りやすさと好感度の高いイメージCMで業績を伸ばし、利益は3期連続で過去最高を更新した。しかし、その裏側にはメガバンクも業務提携に二の足を踏んだ経営体質があった。

都内のアイフル店舗(06年4月16日)。行政処分を知らせる張り紙は見当たらない
都内のアイフル店舗(06年4月16日)。行政処分を知らせる張り紙は見当たらない

   金融庁の下した「全店業務停止」は確かに、過去に例のない厳しさだが、同社も薄々感じていたフシはある。ある金融業界紙の記者によると、「広報部門では最近、記事にピリピリしていた。些細なことにもクレームの電話をよこしたり、間違いではないことに書き直しや訂正を求めた」という。 行き過ぎたマスコミ対応で思い起こされるのが、武富士が同社に批判的なフリーライターに対して盗聴器を仕掛けた盗聴事件である。この事件によって、オーナーの武井保雄元会長は逮捕された。

メガバンクの目に狂いはなかった

   では、他の消費者金融業者で同様なことはないのか――。 消費者金融にとっての営業は「貸金回収」である。銀行だって貸したお金は返してもらわないと不良債権化する。だから、消費者金融の回収ノウハウを学びたい。というわけで、メガバンクも消費者金融を傘下に収めるようになった。
   2004年4月、三菱東京フィナンシャル・グループ(当時)がアコムと資本・業務提携を結び、同7月には三井住友フィナンシャルグループプロミスの筆頭株主になるなど、一部の大手消費者金融はメガバンクの傘下になった。テレビCMなどでも、それぞれ三菱東京UFJグループ、三井住友グループであることを謳っている。消費者金融からみれば、メガバンクの「信用力」を手に入れた格好だ。
   アコムやプロミスがメガバンクの傘下に入ったときのことだ。あるメガバンクの幹部は「オーナー色が強い企業は、強みでもあるが、いったん弱みに転じると脆い。トップダウンの怖いところだ」と話していた。業務提携にあたっては、「ひとつ間違えると銀行のイメージダウンにつながるので、とくに法令遵守の側面を厳しくみた」と明かした。
   アイフルは選ばれなかったわけで、メガバンクの目に狂いはなかったといえるかもしれない。

金融庁はアイフルをスケープゴートにした

   銀行との業務提携が進む一方で、独自色を打ち出して生き残りを図る消費者金融もある。アイフルは信販会社のライフを買収。三洋信販はマイカルカード(現・ポケットカード)を買収した。武富士が、クレジットカードのマスターカードと提携したのも、消費者へのイメージアップの一例だ。
   こうしたなか、アイフルは05年1月に、東京都に本店を置く第二地方銀行の東日本銀行の筆頭株主に躍り出るなど、銀行傘下に入るのではなく、自らが銀行を傘下に置こうとしたほど、独自色の維持に躍起になっていた。
   アイフルに限らず、消費者金融業者の未来は決して明るくない。借り手の保護を理由に貸出金利の上限が法制化される流れがある。また、金利が上昇局面に転じ、資金調達コストが上がって、利ザヤはさらに薄くなる。銀行の傘下であれば資金調達も余力があるが、独立系はそのパイプが細い。
   したがって、資金回収の重要性はますます高まり、自らが生き残るためにもトップはムチを振るって貸金回収に全力をあげることになる。つまり、これからもっと悪質な貸金回収が増える懸念があった。
   そこで金融庁としては、アイフルをスケープゴートに、違法な取り立てに警告を発しておく必要もあった、というわけだ。

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