毎週、多くの商品が入れ替わるコンビニエンスストア。その品揃えからは、現在の日本が垣間見えるといわれます。毎回、セブン-イレブンのオリジナル新商品を取り上げて、その魅力を探る連載です。いずれも、"世界一わがまま″といわれる日本人の嗜好を満足させる知恵が詰まっています。
セブン-イレブン・ジャパンは新茶の季節にあわせ、今年の一番茶を使用したオリジナルの新商品を発売する。原料には茶葉の生育が早く、全国で最も早い時期に収穫される鹿児島産の早生品種「ゆたかみどり」を使用。商品はパン、デザート、アイスクリーム、ドリンク、菓子の5つの分野で、計18点が売り出される。 複数の分野にわたって、これだけの数の新茶のオリジナル商品が揃うのは、コンビニ業界では初の試み。発売は5月10日(水)から。
【ここに注目!】
パンは、新茶の成分を配合したサクサクとしたビスケットとふんわり生地の2重構造。中に、新茶がほのかに香るホイップクリームをサンドした。新茶の香り、味わいが丸ごと詰まった一品。
126円
【ここに注目!】
健康ブームで注目の寒天を使用。新茶の風味、苦味と北海道十勝産のあずきを組み合わせた。あっさりとした味わい、つるっとした喉ごしで、甘いものが苦手な人にもおすすめ。
200円
【ここに注目!】
低温抽出したお茶のエキスにお茶の粉末を加え、風味・味をさらに引き出した。中心に、緑茶と相性のよい小豆が入っている。甘さを抑え、すっきりとした味わい。
126円
【ここに注目!】
乳飲料のベースにお茶のエキスをプラスした、新しいタイプのドリンク。コクのあるミルクに、新茶の苦味、黒糖の甘さが溶け合って、絶妙な味わいを作り出した。
190円
【ここに注目!】
セブン-イレブンと菓子メーカーの東ハトの共同開発商品。キャラメルコーン本来の甘さに、ほんのりとした新茶の渋味、香りが加わって後をひくおいしさ。
116円
※価格はいずれも税込み価格。地域により取り扱いのない場合があります。
ここでは、毎回取り上げた商品の中から、特に注目するポイントやそこから見えてきた日本のトレンドを紹介します。
キーワードは「季節感」
1年を通して緑茶を大量に消費する日本人にとって、5月といえば新茶。特に4月下旬から5月上旬のいわゆる「八十八夜」と呼ばれる頃に摘み取られる柔らかい新芽は、「一番茶」と呼ばれ、珍重される。その特徴はうまみ成分を形づくるテアニンが豊富に含まれることや、鮮やかな色合い、すがすがしい香りなどだという。セブン-イレブンの新作はその新茶の風味はそのままに、様々な商品で楽しめるという期待のラインナップだ。
新茶というと、「甘く、まろやか」というイメージがあるが、実際は違うようだ。苦味と渋みがちょっぴり混じった、それでいて香りがたつ。そんなお茶だという。熟成の進んだ前年のお茶の方が一般向けで、新茶は大人の味なのかもしれない。消費者の意識が以前より「熟成」して、そこに目を付けたとすれば、セブン-イレブンの試みは、社会の変化をいち早く拾い上げ、商品化に結びつけた好例だろう。
1973年の創業以来、成長を続ける、小売業界売り上げNo1のコンビニエンスストア。現在、国内で約1万1000を超える店舗がある。お客様の立場に立って、商品展開につなげる姿勢が高く評価されている。http://www.sej.co.jp/