W杯公式球 開発は広島の「町工場」

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2006年ワールドカップ・ドイツ大会の公式ボールに「アディダス+チームガイスト」が選ばれ、「縫い目がないボール」として世界中で注目を浴びている。2006FIFAワールドカップ公式サイト「FIFA worldcup.com」のインタビューのなかで、アディダスの最高経営責任者ヘルベルト・ハイナー氏は「ここ10年来で最高の公式ボール」と手放しで賞賛している。実はこのボール、広島の「町工場」で開発されたものだった。

広島にある日本のボール製造メーカー「モルテン」が、このボールの開発に取り組んだのは、6年ほど前にもさかのぼる。同社は、FIFAとアディダス社の共同開発に技術提供するかたちでボールの開発に協力した。ボールのパーツを、糸を使わず特殊な接着剤を使って熱を加えて接合する技術を提供した。

通常は5角形と6角形の32枚のパーツを糸で縫い上げてサッカーボールは製造される。しかし、この技術では糸を使わないため、ボールの形が球体に近づき、空気抵抗が均一になる。ボールの球筋も選手の思ったとおりに描ける。

同社は、14枚のパーツでの製造に成功。「開発時に円にするのが難しかった」(モルテン)というように、パーツが少ないと、正確な球体を作り出すのは至難の業だ。

スポーツメーカーの競争も熾烈で、デザイン等の情報を外部に漏らさないように開発は秘密裏に行われた。JINビジネスニュースの取材に対し、モルテン広報は、「社内で知る人も限られていたし、研究室に入ることも禁止されていた。家族にも秘密だった」と当時の状況を振り返った。05年12月にW杯での採用が決まったときは、スタッフは祝杯をあげたという。「苦しい日々が続いたので、やった!という感じだった。」

同社がこのボールを「現時点で究極のボール」というように、W杯に出場する選手にも高い評価を受けている。選手と同様、W杯公式球がどのような活躍を見せるかも注目だ。

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