大阪市「過去と決別」 同和事業に「大ナタ」

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   部落解放同盟との関係が深いとされる病院に大阪市が投入した補助金が回収できなくなるなど、同和行政をめぐる不祥事が相次いでいる、大阪市では「(部落を)特別扱いはしない。過去のやり方とは決別する」と、同和関連事業のうち24事業の廃止を打ち出した。解放同盟側は事業の縮小に反対するが、大阪市以外でも同様の動きが広がっている模様で、事業縮小は全国に広がっていきそうだ。

   大阪市は、大きく二つの同和行政関連の不祥事で揺れている。ひとつは、同和地区の医療センターとして位置づけられている「芦原病院」に約182億円の補助金を投入した上に、無担保で139億円を貸し付けた。そのうち、138億円が回収出来なくなってしまったほか、補助金の不正流用も明らかになっている。もう一つは、2006年に逮捕された小西邦彦被告が、大阪市開発公社から管理を委託されていた駐車場の管理を30年間にわたって行い、収益の一部である6億円を着服していた、という事件だ。小西被告は、山口組系の暴力団員でありながら、部落解放同盟飛鳥支部支部長に就任していた。

部落解放同盟は反発

「週刊ポスト」は同和行政についての連載を掲載している
「週刊ポスト」は同和行政についての連載を掲載している

   大阪市は7月に、同市が委託したり、補助金や貸付金を出している事業が85あり、総額は年に年間65億円にのぼることを明らかにした。さらに、不祥事を受けて同和関連事業の見直しを行い、10月には、同和地区の青少年の健全育成を目的に整備された、12館ある「青少年会館」の廃止など、24事業約35億円を廃止する見直し案を公表した。現在の金額が65億円だということを考えると、「大ナタを振るう」政策だと言っても良い。

   この見直し案は「週刊ポスト」の06年11月24日号でも「『もはや従来の同和行政は不要だ』渦中の関淳一大阪市長が断言!」という特集記事でも紹介され、「これまでやっていた同和行政といわれるようなものは、もう存在し得ない。全て廃止する」と、関市長が「改革」への意気込みを語っている。
   この市長の発言に対して、市民局人権室統括担当課長の森永公子さんは、J-CASTニュースに対して、

「市長は議会で『先例踏襲や過去のやり方からは完全に決別する』と繰り返し答弁しているので、週刊ポストの『全て廃止』というのは、そのような意図だと受け止めています」

   と、同和行政そのものがなくなるのではなく、市長発言の趣旨は「やり方を完全に変える」ことなのだと説明する。

   また、週刊ポストの記事によると、部落解放同盟大阪府連合会は、

「(一連の不祥事は)同和行政を展開してきたことと直接リンクしない(略)本来は、大阪市がエセ同和に屈したと謝るべきところを、すりかえた」
「同和地区には課題が集中しており、それを解決するのは行政の役割」

   などと、事業廃止に激しく反発している。

事業縮小は全国に広がる見通し

   奈良市では、長期「病欠」している間も市庁舎には顔を出し、市に圧力をかけて新入札制度を変更させたとして元同市環境清美部収集課職員・中川昌史容疑者が逮捕されたが、同市の同和政策はどのように変わるのか。同市人権・同和施策課では、「事件を受けて、『同和行政を人権行政に含める』という形で、枠組みを変更するという形で見直しを進めている」と話す。ただ、「事件の性質が(大阪市の芦原病院の例などとは)違うので、見直しの方向性も大阪市とは違ってくる」として、具体的な「見直し」の内容や金額などについては明らかにしなかった。

   実は、同和事業の大幅削減は大阪市が初めてではない。長野県は01年には46事業27億円あった特別対策を、05年度までに4事業4,400万円にまで削減。同和関連事業は一般施策の中で取り組むように変更し、03年度には民間団体による人権啓発事業への補助制度を始めている。

   職員の不祥事が相次いでいる京都市の人権文化推進課では、具体的な見直しについては明らかにしていないが、「全国的に、そのような(事業見直し)流れは広がっている」と話している。

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