翻訳  中文

長谷川洋三の産業ウォッチ
自動車: GM会長「世界No.1は諦めてはいない」

2007/2/ 9      このエントリーを含むはてなブックマーク はてなRSSに追加 この記事をBuzzurlにブックマークする この記事をクリップ!   Yahoo!ブックマークに登録   newsing it!   コメント(4)  

「われわれは世界ナンバーワンをあきらめるわけにはいかない
(We don’t give up No.1 position in the global market)」

   GM(ゼネラル・モーターズ)のリック・ワゴナー会長は、すかさずこう答えた。2007年1月初め、米デトロイトで開かれた北米国際自動車ショーで会長をつかまえ、トヨタが2007年にも世界販売台数でGMを抜く見通しにあることについて私が意見を求めたときだ。

   「日本車のアジア生産、北米抜く」(日本経済新聞07年1月31日朝刊)。日本を抜いて世界第二位の自動車市場となった中国で日本メーカーの設備投資が相次いでいる。しかし忘れてならないのは米欧アの反撃である。GMは、北米からアジアに移った世界の自動車メーカーの主戦場となった中国で06年にグループ全体で約87万7000台を販売し、トヨタ自動車ホンダなどの日系メーカーを大きく引き離した。ワゴナーが強気の発言をするのには根拠がある。実際、北京市の長安通りを初め、中国の大都市の目抜き通りで高級車「キャデラック」などGM車を目にすることは珍しくない。

   トヨタ自動車は世界市場で着実に生産、販売台数を伸ばし、初の900万台乗せとなる07年はGMを抜いて世界最大の販売台数を記録することが確実視されている。こうした中で王者の意地を見せたワゴナーの発言は印象的だった。「そう早く一番になる必要はないよ。目標がなくなる」――。トヨタの豊田章一郎名誉会長は07年1月の経済団体の新年会で会ったら、私にゆとりの表情で話した。GMとトヨタのトップ争いをウサギと亀の戦いになぞらえる向きもある。先頭のおごりが新車開発や品質確保のサボリを生み、ひたむきに新車開発とコストダウンをしてきた後発に遅れをとりだしたとの比喩だが、長年のトップメーカーには歴史を支えた底力があることを忘れてはならない。


【長谷川洋三プロフィール】
経済ジャーナリスト。
BSジャパン解説委員。
1943年東京生まれ。元日本経済新聞社編集委員、日本大学大学院客員教授、学習院大学非常勤講師。テレビ東京「ミームの冒険」、BSジャパンテレビ「直撃!トップの決断」、ラジオ日経「夢企業探訪」「ウォッチ・ザ・カンパニー」のメインキャスターを務める。企業経営者に多くの知己があり、企業分析と人物評には特に定評がある。著書に「ウェルチの哲学「日本復活」、「カルロス・ゴーンが語る「5つの革命」」(いずれも講談社+α文庫)、「レクサス トヨタの挑戦」(日本経済新聞社)、「ゴーンさんの下で働きたいですか 」(日経ビジネス人文庫)など多数。


ゴーンさんの下で働きたいですか
ゴーンさんの下で働きたいですか長谷川 洋三

日本経済新聞社 2001-06
売り上げランキング : 291845

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
ゴーン革命と日産社員―日本人はダメだったのか? ルネッサンス ― 再生への挑戦 カルロス・ゴーンは日産をいかにして変えたか カルロス・ゴーンの「答えは会社のなかにある」―会社を変えたリーダーの再生と復活の語録 ゴーンが挑む7つの病―日産の企業改革

関連記事

カテゴリ内の最新記事

注目記事