長谷川洋三の産業ウォッチ
経営: キリンビール社長の感慨

2007/3/19      このエントリーを含むはてなブックマーク はてなRSSに追加 この記事をBuzzurlにブックマークする この記事をクリップ!   Yahoo!ブックマークに登録   newsing it!   コメント  

「会社の経営は立派な戦略や理論だけでは成功しない。みんなががんばって働くような仕事の進め方を取り入れてこそ成功する」――。

   キリンビール社長の加藤壹康氏は2007年3月15日、私がメインキャスターを務めるBSジャパンの経営者トーク番組「トップの決断」のビデオ収録でこう強調した。06年に02年以来アサヒビールに奪われていたビール系飲料の販売数量首位の座を取り戻し、12月期決算で過去最高利益を達成した。長く営業畑でお客様サービスに徹したことが報われたことの感慨がこもっている。

ビール以外では再編成戦略を展開する

   ビール業界は2月、米系投資ファンドのスティール・パートナーズがサッポロホールディングスに買収提案をしたのを機に、サッポロの買収防衛策をめぐってアサヒビールやキリンビールとの提携構想が金融証券業界で浮上するなど、再編成含みとなっている。しかし業界首位を行くキリンとしては、再編成より地道な実積の積み上げこそが企業成長の正道であることを強調した。「日本のビール各社にはそれぞれ独自の歴史と経営があり、かなりの規模の経営を展開している。今あえて再編成する意味があるのだろうか」と、ビール業界の再編成に関与することには消極的だ。

   もっともキリンもワイン大手のメルシャンをTOBで子会社化するなど、本業のビール以外では買収に積極的だ。「自前主義では事業分野も限られる。新しい価値創造のためにはプラスアルファのアライアンスも必要だ」と強調。医薬品などの分野も含め、ビール以外ではおおいに再編成戦略を展開する意気込みだ。


【長谷川洋三プロフィール】
経済ジャーナリスト。
BSジャパン解説委員。
1943年東京生まれ。元日本経済新聞社編集委員、日本大学大学院客員教授、学習院大学非常勤講師。テレビ東京「ミームの冒険」、BSジャパンテレビ「直撃!トップの決断」、ラジオ日経「夢企業探訪」「ウォッチ・ザ・カンパニー」のメインキャスターを務める。企業経営者に多くの知己があり、企業分析と人物評には特に定評がある。著書に「ウェルチの哲学「日本復活」」、「カルロス・ゴーンが語る「5つの革命」」(いずれも講談社+α文庫)、「レクサス トヨタの挑戦」(日本経済新聞社)、「ゴーンさんの下で働きたいですか 」(日経ビジネス人文庫)など多数。


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