2024年 4月 20日 (土)

アスベスト除去を安全・低コストで 小川テックの「ふうじろうJ」

アスベスト部分だけを外側から密閉して除去する「ふうじろうJ」
アスベスト部分だけを外側から密閉して除去する「ふうじろうJ」

   膜構造建築物を手がける小川テックは、アスベスト(石綿)の除去を安全、低コストで行える新しい工法「ふうじろうJ」を開発した。

   アスベストが使われている部分を特殊なフィルムで覆い、密閉。フィルムには各所にグローブが装着されており、作業者は外側からグローブに手を入れて、アスベストに直接触れずに除去作業ができる。削り取ったアスベストはフィルム下に取り付けられた袋に収納され、密封して処理する仕組みだ。さらに「除じん装置」を使ってフィルム内部に負圧をかけ、アスベストの粉じんが外に飛散しないよう工夫している。
   従来の除去作業は、部屋全体を密閉して行うため、作業期間中は部屋を使用できず、会社の場合は業務に支障をきたしてしまう。さらに、作業者は防護服やマスクを装着するうえ、密室状態のため室内は高温となり、作業中に体力を著しく消耗するといった難点があった。
   「ふうじろうJ」では、天井や柱などを部分的に密閉するので、作業中も部屋を使用できる。アスベストが吹きつけられた部分だけを隔離するため、防護服を取り替える必要もない。アスベストの汚染を防ぐ洗浄設備も不要で作業コストの削減も可能だ。作業者がアスベストにさらされずにすみ、健康面でも安全性が高まる。
   小川テックは、総合商社・豊田通商の子会社。膜構造の加工・施工技術を生かして東京ドームをはじめサッカースタジアムや陸上競技場などの大型施設の建築に実績を重ねている。毎年5月3日に加須市(埼玉県)で開かれる市民平和祭で掲げられる世界一大きなこいのぼりも、小川テックの製作。

姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中