2024年 4月 25日 (木)

「厚顔無恥」とまで言われて 辞任しない「ナントカ還元水」大臣

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   「ナントカ還元水」発言で注目を浴びた松岡利勝農林水産大臣はこのところマスコミの集中砲火を浴びている。巨額光熱水費問題に対して「法律に基づき適切に報告している」との答弁を繰り返す松岡大臣。「厚顔無恥」「居直り」とまで批判されても説明する気配はない。その答弁を支持し続ける安倍首相にも批判の矛先は向いてきた。

   松岡氏は光熱費や水道代がかからない議員会館にしか事務所をかまえていないのにもかかわらず、政治資金収支報告書に光熱費を計上していることが、以前から問題視されてきた。その額、01年~05年の5年間で計2,880万円。

「法律に基づき適切に報告している」の繰り返し

国会は「ナントカ還元水」問題で揺れ続けている
国会は「ナントカ還元水」問題で揺れ続けている

   これまでも巨額の光熱費について質されたことに対して大臣は「水道はナントカ還元水とかをつけている」答弁、「ナントカ還元水」を精製する浄水器などが確認できなかったことから、この問題がくすぶり続けていた。

   2007年5月23日に開かれた衆院予算委員会での集中審議でも、野党からこの問題が追及された。民主党岡田克也元代表の質問に、松岡大臣は「法律にのっとり、適切に報告した。それが説明に代わる」と相変わらずの答弁。「ぬかに釘」とも言える状態に、岡田氏は矛先を安倍首相に向けることにした。岡田氏は「松岡大臣の答弁で『説明責任』を果たされているとお考えですか」と安倍首相を質した。ところが、安倍首相から返ってくるのは、

「法に定められているものの中におきまして、松岡大臣は責任を果たした、と考えております」

といった、という意味不明な「援護射撃」ばかりだった。
   この状況に対して、翌5月24日の各紙の社説やコラムは、一斉に2人の姿勢を批判している。
   毎日新聞は、社説で

「農相は光熱水費の内訳を今後も公表する気は毛頭ないようだ。『説明しない』のは「説明できない」ということだ。もはやそう見なすほかない」

としているほか、信濃毎日新聞

「法が公表を義務付けていないのをいいことに、カネの使い道について説明せず、居直る。これでは、政治不信は募るばかりだ」

と、松岡氏の姿勢を「居直り」と非難。また、「あきらめムード」が漂う社説もある。

松岡大臣かばう首相答弁を「壊れたレコード」

「言を左右して説明を拒み続ける閣僚と、その閣僚をかばう首相の態度は、国民の目にどう映るだろうか。政治不信の加速が心配だ」(西日本新聞)
「松岡利勝農相には、閣僚でありながら国民に対する説明責任を果たすつもりは毛頭ないことが分かった」(宮崎日日新聞)

   中日新聞の社説では、もっと厳しい言葉が使われている。「松岡農相 かばう首相の見苦しさ」という見出しを掲げ、松岡氏の答弁を「厚顔無恥」、首相答弁を「壊れたレコード」と断じている。
   朝日新聞は、安倍首相が政治資金規正法の改正を進めようとしていることについて、社説で

「首相はまだ問題の核心が分かっていないようだ。『やるべきこと』は最初からはっきりしているではないか。松岡氏の首に縄をつけてでもきちんと説明させることなのだ」

と「やることの順序が違う」と批判。「天声人語」では、

「質問を聞く首相はしきりにまばたきし、黒目が定まらないようにも見えた。正直な人である。ぶぜんと、開き直ったかのような松岡氏とは対照的だ。法律を盾に説明責任から逃げ回る姿は醜悪だが、本当は首相も恥ずかしいのだと、せめて思いたい」

と、猛烈に首相の姿勢を皮肉っている。
   もっとも、連日政権批判を繰り広げている「日刊ゲンダイ」は、もっと過激で、安倍首相が民主党の小沢代表の資金管理団体が不動産を所有していたことを指摘、「反撃」に転じようとしたことを、

「疑惑大臣の責任については逃げの一手のクセに、野党批判になると能弁になる。安倍という男の下劣な品性が割れた瞬間だった」

とバッサリ。さらに、

「安倍は歴代首相に比べて、度量、風格が決定的に劣る。何よりも頭が悪すぎる。できそこないのボンクラだ」

と、口を極めてののしっている。
    これだけの批判をあびても、辞任しなくてすむ閣僚は戦後の歴史でもめったにない。

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