2024年 4月 19日 (金)

ミクシィで薬物密売 違法コミュの「驚き実態」

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   SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)最大手の「ミクシィ(mixi)」を通じて薬物の密売が行われる事件が発生した。売買の交渉が行われたのは、薬物についての「コミュニティ」(ミクシィ上のグループ)。しかも、事件発生後の現在でも同種の「コミュニティ」は多数存在しており、ミクシィの管理能力が問われる問題になりそうだ。

ミクシィ内のコミュニティで売買交渉

mixiには「リタリン」のほか、薬物関係のコミュニティが多数存在する
mixiには「リタリン」のほか、薬物関係のコミュニティが多数存在する

   熊本県警は2007年6月28日、ミクシィに不正アクセスし、向精神薬「リタリン」を違法に販売したとして、不正アクセス禁止法違反、電磁的記録不正作出・供用罪、薬事法違反、麻薬取締法違反の容疑で、横浜市青葉区のA容疑者(24)を逮捕した。

   県警によると、熊本県植木町の女性が「ミクシィにログインできない」と県警に相談。県警は不正アクセスがあったと見て捜査していた。その後、捜査を進めていくうちに、A容疑者が浮上。女性がA容疑者と以前に別のSNSで知り合って、容疑者宅に遊びに行ったこともあった。

   そこで、ID・パスワードが同容疑者から盗み取られ、その後、勝手にID・パスワードが変更されていたことが発覚した。県警生活環境課はJ-CASTニュースに対し、「(A容疑者が女性と)メールのやりとりがあり、メールアドレスを知っていたため、パスワードを盗み見たか、あるいはキャッシュ機能によって入手したかのいずれかの可能性が高い」と説明しており、現在でも調査中だ。

   さらに、A容疑者は不正に入手したアカウントを06年10月~07年4月の間に使用し、ミクシィを通じて医療用の向精神薬「リタリン」を埼玉県の会社員ら3人に15~100錠を約7,000~4万円で販売した疑いがある。さらに、同サイト内で他の薬物などが販売された可能性もあるとして余罪を追及している。

   県警によれば、売買の交渉が行われたのはミクシィ内の「リタリン」に興味を持つ人たちが集うコミュニティ。ここで売買の交渉が行われた後、別のサイトでA容疑者が口座番号を教えるなどしていた。県警は、「違法と知りながら、(女性に)なりすまして薬物を売ろうとしていた可能性が高い」としている。

「余ってる方も、ほしい方も、参加OK」

   しかし、この事件後も「リタリン」についてのコミュニティがミクシィには多数存在しており、なかには「余ってる方も、ほしい方も、参加OK」「リタリンが本当に必要な人にのみ参加権利があります」などと紹介された、まるで薬物売買を促したり、実際に売買・譲渡の交渉が行われていそうなコミュニティまである。「リタリン」は、中枢神経興奮剤として医師から処方されたときのみに入手できる。ただし、服用することで爽快感や多幸感が得られる場合があるとされ、こうしたコミュニティを通じて情報交換、さらには違法な売買や譲渡の交渉にまでも発展した模様だ。
   さらには、覚せい剤をはじめとした薬物依存者のコミュニティなどもある。この事件とは別に、ミクシィ内で違法薬物の譲渡・売買が頻繁に行われている可能性もありそうだ。

   これらのコミュニティが「放置」されていることについて、J-CASTニュースがミクシィに取材を申し込んだところ、次のような回答がメールで返ってきた。

「mixiの利用規約にて、『法令に違反する行為、および違法な行為を勧誘または助長する行為。』『詐欺、規制薬物の濫用、児童売買春、預貯金口座及び携帯電話の違法な売買等の犯罪に結びつく、又は結びつく恐れの高い行為。』『自殺、自傷行為、薬物乱用等を美化・誘発・助長する恐れのある言葉、その他の表現の掲載。』を禁止させていただいております」

   さらに対策については、

「また、削除や警告等に関するフローも社内で厳格に運用されており、365日24時間のサポート体制にて、利用規約に則り適切に対応させて頂いております。」

としている。しかし、「リタリン」などの売買・譲渡に関係している可能性があると思われるコミュニティが多数存在していることについての質問に、ミクシィ側は一切回答しなかった。もっとも、「利用規約に則り適切に対応」しているのなら、こうした事件、コミュニティは存在しないはずなのだが・・・

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