2024年 4月 20日 (土)

「ドコモ2.0」大ピンチ 「2in1」「ファミ割」次々コケる

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   NTTドコモが展開する「DoCoMo 2.0(ドコモ2.0)」が大ピンチだ。契約数が二つ獲得できると思っていた「2in1(ツーインワン)」は総務省に「1契約とするべき」と判断され、契約数戦争でも「一人負け」したほか、新料金プラン「ファミリー割引」もソフトバンクモバイルに約5時間半後にまったく同じプランが発表されてしまった。CMを大量に打った効果で「ドコモ2.0」という言葉だけは認知されたが、ドコモも「広告が先行」と認めるほどの「不振」に陥っている。

「ドコモ2.0」がコケ、また「一人負け」

「2in1」がコケて契約純増数はドコモの「一人負け」
「2in1」がコケて契約純増数はドコモの「一人負け」

   電気通信事業者協会(TCA)は2007年7月6日、2007年6月末時点の携帯電話・PHS契約数を発表した。契約数は3社とも「純増」だったものの、純増数では、NTTドコモは8万8,800、KDDI(auとツーカー)は13万3,200、ソフトバンクは20万4,800で、ドコモの「一人負け」が相変わらず続いた。実はこの「一人負け」も「ドコモ2.0」がコケたことが原因だった。「ドコモ2.0」とは、「904i」「704i」シリーズといった新しい機種や「ファミリー割引」の新しい料金プラン、音楽配信の定額サービス、ビデオクリップ、直感ゲームなどで、「反撃する」という姿勢を打ち出したドコモの1大キャンペーンだ。

   ドコモは「ドコモ2.0」の一環として、「904i」シリーズ全5機種に「2in1」機能を搭載。1台の携帯電話端末で2つの電話番号とメールアドレスを切り替えて使い分けられる、利用者にとっても便利で契約者数の増加につながる機能を採用していた。

   しかし、「2in1」には同業のソフトバンクなどが総務省やTCAに「2契約とするのはおかしい」などと指摘。これを受け、総務省は「1契約とするのが妥当」との判断をした。TCAがこれを受け、公表する契約数にはカウントせず、「2in1」の契約数を別途記載するというかたちをとった。
   ドコモは「2in1」での契約が6月分で54,000もあり、仮に「2契約」が認められれば、KDDIを抜いて「一人負け」の憂き目には遭わなかった。実際、ドコモ社内では「今月はやっと『一人負け』から脱却できる」という期待もあった。

   総務省総合通信基盤局はJ-CASTニュースに対し、「2in1は、同一名義でしか契約できないことなどから切り分けられた契約とは言いがたく、事実上、メインの契約に(1つの回線を)追加するもの」と説明する。一方、NTTドコモ広報は「2回線が使い分けられるもので、2契約とするのが妥当と考えている。今後も2契約とカウントしてもらうために交渉していく」としている。

「広告が先行している結果といわざるを得ない」

   さらに、ドコモは07年6月26日に「ファミリー割引」を07年8月から順次拡充すると発表。これまた「ドコモ2.0」の一環として、2年間の継続利用を条件に、家族内で最も利用期間が長い契約者の割引率が家族全員に適用され、家族全員の基本使用料が最大で半額となるという大胆な料金プランだった。しかし、ドコモの発表から5時間半ほど後には、ソフトバンクがこれと同じ内容のプランを対抗して発表。一部メディアではドコモの新プランとソフトバンクのそれとが併記されるほどの、インパクトに欠けるものになってしまった。
   ソフトバンクは「24時間以内に対抗するというのは孫(社長)が言っている戦略」とし、ドコモは「他社のことなので、コメントすることではない」としている。

   また、大前研一氏などからこき下ろされている「ドコモ2.0」のCMだが、こちらも「ドコモ2.0」という言葉の認知にはつながったものの、肝心のサービスや機種の認知にはつながっていない実態が明らかになった。

   MMD研究所が7月5日に発表した調査(6月22~26日に調査、7,102人対象)では、「ドコモ2.0」について「知っている」としたのは 63.7%、「知らない」としたのは36.3%だった。しかし、「ドコモ2.0の内容をどこまで知っているのか」という質問では、「DoCoMo2.0という名前」 とした人が90.1%、「起用されているタレント 」としたのが73.5%で、一方、「各サービス内容」としたのは 37.0%、「対応している携帯端末」としたのは 28.8%、「各サービス名」としたのは25.9%だった。名前やタレントの認知にはつながっているが、サービスや対応端末の認知にはあまりつながっていないというのが現状のようだ。
   これについて、ドコモ広報は、

「広告が先行している結果といわざるを得ない。『ドコモ2.0』イコール、サービスや端末であることを認知していただくのはまだまだこれからだと思っている」

としている。

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