長谷川洋三の産業ウォッチ
政局: 森元首相 楽観の根拠

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「大きなイノシシが出たと言っても山ほど大きなイノシシなんていないよ。悲観してもしようがないではないか」

   森喜朗元首相は2007年8月2日、参議院選挙で自民党が大敗したにもかかわらず先行き楽観した発言をした真意を尋ねた私に、こう答えた。タイ経済界の支援などでバンコク市内に開校した技術者養成の泰日工業大学(TNI=タイ・日インスティトュートオブテクノロジー)の開学式典出席のためタイを訪れ、記念植樹した。

   森氏は、これに先立ってスラユット首相と会談し「冷戦時代のイデオロギー対決した時と違い、自民党も民主党も国の方向性では大きな差はない。双方の共通の議論の場は広がっている」と述べた。チュアン元首相との会談でも「日本で政治的不安は生じない」と強調した。
   また同行記者団などとの会見でも「せっかく衆議院で安定した政局があるのだから、野党は勢いに乗って解散をしたいのだろうが、政治空白を作る必要はない。わが党の首相を簡単に変えることは混乱を招くだけだ。安倍首相は初心を貫徹すべきだ」と明言し、解散風、安倍退陣風を退けた。

   タイでもタクシン前首相追放後、憲法改正を経て総選挙という段取りとなったが、タクシン支持派は貧民層を中心に根強く、政治的安定をどう確保するか悩みは同じ。チュアン元首相は森元首相に「政治に教科書はない。経験から学ぶほかない。重要なことは国民の意識の啓蒙だ」と語り、悩みを打ち明けた。しかし「世界における日本の重要性は変わらない」といった賛辞も忘れず、泰日工業大学の開学式では、シリントーン王女がトヨタ自動車の高級車「レクサス」で乗りつける演出もこらした。森元首相としては自らの存在を確認したことに意味があった様子だった。


【長谷川洋三プロフィール】
経済ジャーナリスト。
BSジャパン解説委員。
1943年東京生まれ。元日本経済新聞社編集委員、帝京大学教授、学習院大学非常勤講師。テレビ東京「ミームの冒険」、BSジャパンテレビ「直撃!トップの決断」、ラジオ日経「夢企業探訪」「ウォッチ・ザ・カンパニー」のメインキャスターを務める。企業経営者に多くの知己があり、企業分析と人物評には特に定評がある。著書に「クリーンカー・ウォーズ」(中央公論新社)「ウェルチの哲学「日本復活」」、「カルロス・ゴーンが語る「5つの革命」」(いずれも講談社+α文庫)、「レクサス トヨタの挑戦」(日本経済新聞社)、「ゴーンさんの下で働きたいですか 」(日経ビジネス人文庫)など多数。


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