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「アクセラ」など最近のマツダのクルマづくり 他社にとって「気になる存在」

   マツダのクルマづくりに自動車業界他社が関心を示している。以前ならマツダ車が他社の参考になることはまれだったが、今は違う。ことに現行の「アクセラ(海外名=マツダ3)」は、排気量2リットルクラスのスポーティーな乗用車を開発する際には、決まって気がかりな存在と認識され、「ベンチマーク」に設定されることも少なくない。年間の総販売数130万台と、台数で見れば列強の合間に埋もれてしまいそうな中堅メーカー・マツダの商品に、どんな強みが隠されているのだろうか。

アクセラは年産40万台で予想外のヒット

「アクセラ」に業界の注目が集まっている
「アクセラ」に業界の注目が集まっている

   2003年10月に発売したアクセラは、2006年には39万9千台を生産した。企画当初は25万台を生産すれば御の字と見られていたが、4年目に入ってもさらに販売を伸ばし、単一車種では日産自動車もかなわない年産40万台のヒットになった。

   5ドアハッチバックのボディーを斜め後ろから見ると、キャビン上部の絞り込みに対してビッグショルダーと呼ぶガラス下部のラインの張り出しに独特のしっかり感、塊感が表現されている。前から見るとボンネットのラインとグリルでV字が形作られ、その外側に切れ長のヘッドライトが配される。

   走りはクラストップのハンドリング性能を目標に開発された。マツダは足回りのチューニングに定評があり、伝統的に走りにうるさい欧州市場に強い。

   これらの特徴は02年に"ZoomZoom"を謳って走りの楽しさを打ち出して以降のマツダ車すべてに通じるものだ。

ホンダ関係者は「手ごわい」、三菱は「参考になる」

   ホンダの関係者は最近のマツダ車について「手強い。いい商品を出してくる」と話す。「以前と違って大衆迎合せず、軸がしっかりしてきたからではないか」と見ている。

   三菱自動車の「ギャラン フォルティス(海外名=ランサー)」を担当した開発者は「ベンチマークはマツダのアクセラ」とはっきり明かし、「あのスポーティーなクルマ造りは参考になる」と語った。

   マツダは2002年5月の「アテンザ」以降を新世代商品と呼ぶ。今年から順次モデルチェンジに入り、第2世代に切り替わっていく。

   中堅メーカーが一時の輝きを持続するのは大変なことだ。開発担当の金井誠太専務が「守りに入ることはしない。攻める」というように、皮切りの「デミオ」は大胆なスタイルで登場した。来年にも姿を現す次期アクセラがどんな車に仕上がるか。マツダの今後5年を左右するのは間違いない。