2024年 4月 20日 (土)

補助金不正3年以上放置 「返す直前でした」は本当か 

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   安倍晋三内閣の農水相がまたまた交代した。2007年9月3日に辞任した遠藤武彦・前農水相(68)が組合長を務めていた「置賜農業共済組合」(山形県米沢市)が補助金を不正受給し、不正発覚後も3年以上放置していることに批判が集ったためだ。不正受給されたカネは、9月3日に国庫へ返還されたが、遠藤氏の大臣就任がなければ「うやむや」のままだったのだろうか。責任の所在を巡っては歯切れの悪い「なすりあい」が始まった。

「組合の立場を強くするため、実績を増やしたかった」

遠藤農相の辞任を伝える新聞夕刊各紙
遠藤農相の辞任を伝える新聞夕刊各紙

   遠藤氏は9月3日、安倍首相へ辞表を提出し受理された。退任会見で不正受給した115万円のうち、返還対象となる50万円を3日に国側へ返還したこと明かし、「国民に政治に対する不信を感じさせたことをお詫びする」と謝罪した。就任した8月27日を含め、たった8日間の大臣の椅子だった。「対応を県に相談していたが、回答がなかった」「なぜすぐにやってくれなかったか」と「恨み節」も出た。

   遠藤氏を巡っては、国から補助金を受ける独立行政法人から5万円の献金を受けていたことが発覚した。遠藤氏は8月31日、違法ではないが「疑わしきは整理する」として5万円の返還を指示した、と会見で語った。そして9月1日、朝日新聞朝刊が「特ダネ」の形で「置賜(おきたま)農業共済組合」の不正受給と発覚後3年間の未返還を報じた。遠藤氏の組合長就任は1982年、不正受給当時も発覚当時も組合長だった。07年9月3日、遠藤氏の8月31日付けの組合長退任が正式に決まった。

   山形県などによると、置賜農業共済組合の不正受給を巡る経緯は次のようなものだ。「舞台」は、ブドウ被害が出た場合に備えて被害を補償する共済制度だ。1999年春、同組合の担当課長ら2人が農家からの加入申し込み数を実際より105戸分水増しして申請した。そして99年度中に、水増し分「農家負担額」と同額に当たる115万円の国庫負担額が、本来の国庫負担額に上乗せされて国から支払われた形となった。99年度は被害申請がなかったためこの115万円について見ると「積み立て」分に回った。「積み立て」は115万円中、国が65万円、山形県農業共済組合連合会が50万円だった。この50万円が今回返還対象となった。

   不正申請した理由については、04年に不正受給が発覚した後に不正申請した2人がした説明によると、ほかの共済組合との合併に備え「自分たちの組合の立場を強くするため、申し込み実績を増やしたかった」ためで、水増し分の115万円は自腹を切ったという。

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