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コンテンツビジネスの東京一極集中打破狙う 
「関西から世界へ」アジアコンテンツマーケット開幕

   アニメやゲーム、携帯占いなどのデジタルコンテンツ企業が出展する「アジアコンテンツマーケットin関西」(ACM関西)が2007年10月1日、大阪市中央区のマイドームおおさかで開幕した。コンテンツビジネスが東京に一極集中している現状を打破し、関西発の新しいビジネスモデルを世界に向けて発信する狙いだ。

   ACM関西は、関西のコンテンツ産業を世界に向けてアピールするイベント「クリエイティブ・インダストリー・ショーケースin関西」(CrIS関西)のプログラムの一つ。10月1、2日の2日間、次世代のデジタルコンテンツ産業を担う関西のベンチャー企業のほか、中国や韓国の企業や団体がCGアニメやPCオンラインゲームなど展示し、ビジネスマッチングの機会を提供する。

「子供向けセカンドライフ」や中国のアニメ会社などが出展

伝統文化が豊かな関西らしい「京ことば」のCDも展示されている
伝統文化が豊かな関西らしい「京ことば」のCDも展示されている

   今回のACM関西には、「人間が子犬になってしまう」キャラクターコミュニティサイトや動物キャラによる携帯占いサイトなど、ユニークなコンテンツビジネスを仕掛けている関西の生きのいい会社が数多く出展する。

   たとえば、"子供向けセカンドライフ"とも呼ばれるキャラクターコミニティサイト「子犬になりたーい!!」を運営するモンキャラメル(大阪市中央区)。同サイトでは、ユーザーが顔写真を送信すると、その顔に似た「子犬」のキャラクターが作られ、アニメの中に登場したり、他の子犬キャラとコミュニケーションしたりできるようになる。小学生ぐらいの子供やその母親に好評で、1日のログイン数が80万を超える人気サイトだ。今回は百貨店などで実施しているプロモーションを展示してアピールする。

   また、地上波デジタル放送番組と連動した動物キャラクターによる携帯占いサイト「ココモコ ハッピー占い」を運営するナスピア(大阪市中央区)や、デジタルコンテンツならではの動画的演出や効果音を生かしたWebコミック「聖霊機ライブレード ディスタンス・オブ・ディザイア」を制作しているウィンキーソフト(吹田市)、携帯で人気のロールプレイングゲーム「魔法学園デュミナスヘブン」を運営するホープムーン(吹田市)など、次世代型のデジタルコンテンツのプレゼンテーションが目白押しだ。

   さらにアジアからは、3Dアニメを制作している中国・深センのアニメ制作会社や人気アイドルグループのブランドビジネスを展開する韓国・ソウルのデザイン会社など約20の企業・機関が出展する。

「関西は中国や韓国と連携して世界市場へ」

成長著しい中国からはアニメ制作会社などが出展する
成長著しい中国からはアニメ制作会社などが出展する

   「今回のアジアコンテンツマーケットの目的は、関西のデジタルコンテンツ企業が世界市場に打って出る基盤を作ること」と話すのは、主催するCrIS関西実行委員会の海部奈緒子・大阪府バイオ・成長産業振興課統括主査だ。アニメや映画、出版など既存のコンテンツビジネスが東京に一極集中している現状を打破し、関西発の新しいビジネスモデルを世界に向けて発信する狙いが込められている。

   アナログコンテンツと違い、デジタルコンテンツの場合は流通上の制約が少なく、エリアを問わずに発信できるという特性がある。そのため、関西の企業にも世界に向けてビジネス展開するチャンスが十分にある。また、東京中心の既存のコンテンツ産業は欧米志向が強い。そこでコンテンツビジネスの「空白地帯」である中国や韓国などの企業と連携しながら、関西の企業が世界のマーケットに進出する足がかりを築こうとしている。

   CrIS関西実行委員会の黒木啓良・近畿経済産業局コンテンツ産業支援室企画調整係長は「この種のイベントが東京以外の地域で開かれることは珍しいが、約100の企業・団体が参加して盛況な展示会となった。しかし、この1回で終わってしまっては意味がない。コンテンツ産業によって関西の経済界が活性化していくように、今後何年も続いていくようなイベントとして育っていってもらいたい」と話している。