次世代DVDの規格争い 年末に低価格で「体力勝負」

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   ソニーは、次世代DVD規格「ブルーレイディスク」に対応した新型のレコーダー(録画再生機)4機種を2007年11月に発売する。注目は、店頭の想定価格を14万~20万円と大幅に引き下げた点だ。これまでソニーのブルーレイ対応レコーダーは普及モデルでも25万円前後したが、新製品には14万円前後の廉価モデルが加わり、普及に弾みを付けて、東芝が主導する「HD-DVD」陣営との攻防の早期決着を目指す。東芝も「価格競争も辞さず」の姿勢を崩しておらず、年末商戦で、両陣営の規格争いは体力勝負の局面を迎えつつある。

全機種をブルーレイディスク対応に切り替える

両陣営の規格争いは激化している
両陣営の規格争いは激化している

   ソニーの新型レコーダーは効率の高い映像圧縮技術を採用し、50ギガバイトの大容量のブルーレイディスク1枚に従来の4倍近い最大16時間分の高画質なハイビジョン映像を記録できる。ダビングの速度性能も大幅に向上し、1時間分のHD映像を最速3分でダビングできる。

   ソニーの井原勝美副社長は新製品発表会で、「次世代DVD対応レコーダーの市場は年末から急速に立ち上がる。本格的な普及期に入っていると見ている」と語り、今後国内で発売するDVDレコーダーは全機種をブルーレイディスク対応に切り替える方針も明らかにした。

   DVDレコーダー市場全体では、次世代DVD対応機種の比率はまだ1~2%程度といわれる。しかし、薄型テレビだけでなく家庭用のデジタルビデオカメラなど周辺機器でもハイビジョン対応機種への移行が急速に進んでおり、ソニーは高画質な次世代DVD対応機種の普及の条件は整いつつある、と判断した。もちろん、今年6月にHD-DVDレコーダーで15万円前後の廉価モデルを発売した東芝に対抗する価格設定であることは明らかで、利幅は下がるが一気に普及を促す戦略といえる。

   とはいえ、ライバルの東芝も粘る。HD-DVD陣営は8月、米国の大手映画配給会社パラマウント・ピクチャーズを陣営に引き込み、映画ソフトの単独供給を受けると発表した。これまで同陣営だけに参加を表明していたのはユニバーサル・ピクチャーズだけ。ブルーレイディスク陣営はソニー・ピクチャーズ、ウォルト・ディズニー、20世紀フォックスというハリウッドの映画配給大手の支持を得てソフト獲得で先行し、規格争いで優位に立ったと計算をしていただけに、相手の「しぶとさ」に驚かされた格好だ。

10万円近くまで下がらないと本格普及は無理という声

   東芝はまた、米国に続いて欧州でもHD-DVD対応の格安再生機を投入すると発表。いずれもかなりの投資を注ぎ込んでの巻き返しであり、東芝側は厳しい価格競争に腹をくくった印象がある。国内の年末商戦に向けても、価格をさらに下げて対抗することもあり得る。

   ただこの規格争い、問題はなかなか消費者が飛びついてくれないことだ。ハードディスク駆動装置(HDD)など他の記録メディアにもハイビジョン対応の製品はあり、高価な次世代DVDに対して、消費者の「模様ながめ」が続いている。規格争いが長引けば、次世代DVDに対する期待感そのものが冷え込む可能性もある。販売業界では「価格が10万円近くまで下がらないと本格普及に向かわないのでは。両陣営とも苦しい消耗戦となりそうだ」(関係者)との声が聞こえる。

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