「東証自主規制法人」スタート 独立性と公正さ保てるか

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   持ち株会社「東京証券取引所グループ」は2007年11月1日、上場審査や売買監視を専門に担当する「東証自主規制法人」の業務をスタートした。持ち株会社の傘下には、自主規制法人と、市場運営会社「東京証券取引所」の2社がそれぞれ独立して収まる形となる。これまで一体だった東証の審査・監視の機能が初めて分離されることになるが、自主規制法人が独立性を保ち、公正かつ機動的に活動できるか、広く注目を集めそうだ。

つきまとう「理事長の天下り」批判

東証は8月に持ち株会社制に移行した
東証は8月に持ち株会社制に移行した

   東証は8月1日に持ち株会社制に移行した。持ち株会社化の狙いは、「自主規制機能を明確にすること。市場運営と規制機能を分けるのは世界的な動き」(斉藤惇・東証社長)であるため。市場の透明性や公正性を確保するのが自主規制法人の最大の任務で、この設立は東証の新体制の目玉ともいえる。

   自主規制法人の理事長には、元財務事務次官の林正和氏が就任した。市場運営会社などからの独立性を保つため、林理事長をはじめ理事5人の過半数は外部から登用し、企業役員との兼務を禁止した。また、持ち株会社が規則を変更する場合は、自主規制法人の同意を求めるなどの基本方針も決定。上場商品の多様化や国際化などで企業や投資家を呼び込む市場運営会社との利益相反を防ぐルールも整備した。

   ただ、林理事長には、就任内定当時から「天下り」批判がつきまとう。当時の渡辺喜美行政改革担当相らは「官僚統制が復活するなら問題」と強く批判したほか、経済界からも「決定プロセスの透明性を高める努力が必要」(桜井正光・経済同友会代表幹事)などの声が上がった。東証は「人格や識見で抜きんでている」(西室泰三・東証会長)と反論するが、自主規制法人が市場から広く信頼を得て業務を遂行するうえで、天下り批判が影を落とす。

親会社「東証」の上場も審査の対象

   一方、持ち株会社である東証グループは、早ければ来年12月にも東証に上場する計画で、自主規制法人は、その審査に当たる重い任務が控えている。しかし、東証はかつて、旧カネボウの粉飾決算事件や日興コーディアルグループの不正会計問題などで何度も審査機能が問われてきた。また、自主規制法人と市場運営会社が分離されたとはいえ、市場運営会社の収益が自主規制法人の運営を支えるという関係にあるのも事実。自主規制法人が自身の「親会社」の審査に当たり、公正な判断ができるのか。市場や投資家の監視の目が光ることになる。

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