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ヤフーとイーベイ「相互乗り入れ」 国際オークションは割安なのか

   ヤフーが、ネットオークション最大手の米「イーベイ」と業務提携する、と発表した。日本のヤフーオークション(ヤフオク)利用者がイーベイに出品された商品を落札できるようになり、逆に米国のイーベイユーザーがヤフオクの商品を落札できるようになるという「相互乗り入れ」が実現するのだという。国境や言語の壁を乗り越えてオークションを行うという異例の形態だが、「国際配送料」や手数料が意外とかかり、お得なのかは微妙なところだ。

購買代行サイトを利用してヤフオクからイーベイに入札する

「セカイモン」のサイトでは、購買代行の仕組みが解説されている
「セカイモン」のサイトでは、購買代行の仕組みが解説されている

   ヤフーとイーベイは2007年12月4日、業務提携を発表した。イーベイは99年に日本に進出したが、02年にはヤフーとの競争に敗れる形で撤退。一方の米ヤフーは、07年5月、逆にイーベイのシェアに圧倒される形でオークション事業からの撤退を発表していた。イーベイにとっては、日本市場に「再チャレンジ」する形だ。

   具体的には、08年3月末までに、ヤフオクでもイーベイに出品された商品が落札できるようになり、08年中には、逆にイーベイからヤフオクの落札ができるようになる。

   これらの前段階として、12月4日には、購買代行サイト「セカイモン!」がオープン。ヤフオクからイーベイに入札する際は、同サイトの仕組みを利用することになっているという。いわば、08年3月の段階では、「セカイモン」のシステムがヤフオクに取り込まれる形だ。では、「セカイモン」はどのような仕組みになっているのだろうか。

   同サイトにアクセスすると(17時現在、アクセスしにくい状態になっている)、イーベイに出品されている商品の一覧が表示され、各商品をクリックすると、商品概要や、現在の価格などが日本語で表示される。ただ、日本語は、ややぎこちない部分もあり、これは機械翻訳を利用しているためだという。

代金、運賃、税金を「代引き」で支払う仕組み

   具体的な「国際入札」の手順は、日本のユーザーが「セカイモン」を見て入札し、セカイモンはイーベイに対して英語で代理入札する、というもの。代金支払いも、日本のユーザーから同サイトを通じて行われる。一方、落札された商品の流れはというと、米国の出品者は「セカイモン」のロサンゼルスにある倉庫に対して商品を発送し、現地スタッフが輸出手続きを代行。米国ヤマト運輸が日本に向けて発送するのだという。商品を受け取るユーザーは「代引き」で商品の代金や運賃、税金などを円で支払う仕組みだ。

   ヤフーの広報室によると、このような国境・言語を越えたオークションは、イーベイで先例(米国-韓国など)があるといい、今回の「日米相互乗り入れ」の件数の見通しについては

「正直分かりませんが、それなりの数は見込めるのでは」

と話している。

   ちなみに、かかるコストだが、商品の代金・米国内の輸送費、関税などの他に、「国際配送料」(10キロ=62米ドル)や、「セカイモン」への手数料が商品代金の15%かかる。日本の消費者は「直輸入はお得」と思いがちだが、実際に試算してみることが重要になりそうだ。