ダイムラー方針で 三菱ふそうエンジン本体の独自開発から完全撤退

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   三菱ふそうトラック・バスがエンジン本体の独自開発から完全撤退する。独ダイムラーAGの傘下で再生を目指す三菱ふそうだが、大型と中型のディーゼルエンジンはダイムラーのトラック部門による共同開発、小型ディーゼルエンジンはフィアットの子会社から調達し、次期環境規制に対応するエンジンの独自開発を断念した。ダイムラー・トラック部門が目指す高効率経営と「見栄」が、自動車の心臓部であるエンジンなどの開発者たちを惑わせている。

ボルボトにハイブリッド大型トラック開発で先を越され焦る

ダイムラーのハイブリッド車に注目が集まっている
ダイムラーのハイブリッド車に注目が集まっている

   リコール問題にようやくけりをつけた三菱ふそうトラック・バス。同社は再生を目指す中期経営方針を2005年11月に発表し、「ダイムラーとのグローバルレベルでの統合」(ハラルド・ブルストラー三菱ふそうトラック・バス社長)による再生の道を歩んでいる。三菱ふそうの資本の85%を握るダイムラーの目標達成のために、三菱ふそうの社員たちは働いているわけだ。

   三菱ふそうだけでなく、米トラックメーカーのフレートライナーや米エンジンメーカーのデトロイトディーゼルなど、ダイムラー傘下の企業は一体となってダイムラー・トラックのグローバル販売シェアトップの維持やダイムラーの収益力アップなどのために一体となって働いている。

   ダイムラーが有するメルセデス・ベンツトラックのブランドを含め、それぞれの企業は独立した企業からダイムラー・トラック部門のなかのブランドとして生きているのだ。

   これによりダイムラー・トラック部門における主要な製品の開発は、基本的に共同開発へと移行し、開発テーマごとにリーダー役となる企業が決められている。例えば三菱ふそうはハイブリッドシステムと小型トラックの開発のリーダーとなり、大型と中型のディーゼルエンジン開発はデトロイトディーゼルが中心となって開発している。

   11月にダイムラーはグローバルに28カ国のマスコミ200人を招待した技術発表を、独シュツットガルトのメルセデス・ベンツ博物館で開催した。その場で注目されたのはトラックやバスのハイブリッド車だ。

   とくにメルセデス・ベンツブランドの大型トラック「アテーゴ」には、ディーゼル・ハイブリッドシステムとダイムラーが開発採用した排出ガス後処理システムの「尿素SCR」を組み合わせた「アテーゴ・ブルーテック・ハイブリッド」(総重量7.5tと12t)のプロトタイプが登場した。

   大型トラックのハイブリッド車は、すでにボルボトラックスが2006年に「ボルボ・FMハイブリッドコンセプト」を発表し、走行実験をスタート。早ければ2009年にも市販される見通しだ。欧州では環境規制対応と省燃費が先進性の大きな指標となっている。グローバル販売シェア2位のボルボトラックスにハイブリッド大型トラック開発で先を越されたダイムラーは焦り、三菱ふそうの面目が潰される形となった。

ハイブリッドの開発リーダーといっても中途半端

   前述の通りハイブリッドシステムの開発のリーダーは三菱ふそう。ダイムラー・トラック部門の先進性の象徴であるアテーゴ・ブルーテック・ハイブリッドの総重量7.5t車には、三菱ふそう「キャンター・エコ・ハイブリッド」のパワートレーンが用いられた。ところが、総重量12t車には、米電装品メーカーのイートンの制御システムとフレートライナーの現行パワートレーンを組み合わせたハイブリッドシステムが採用された。

   三菱ふそうのハイブリッドシステムは大型トラックでは実績がないというのが理由のひとつだが、イートンはダイムラー・トラックグループの一員ではない。ライバルのボルボトラックスへの対抗を優先した結果、急造のハイブリッドシステムを外部調達で用意したわけだ。

   アテーゴ・ブルーテック・ハイブリッドの7.5t車は年内、12t車は2008年に実証試験がスタートする。これでは総重量が重いハイブリッド大型トラックの開発技術が三菱ふそうにはないといってるに等しい。

   三菱ふそうは小型トラックとハイブリッドの開発リーダーとされるが、小型ディーゼルエンジンの自社開発は取り上げられ、さらにハイブリッドの開発も中途半端となっている。ダイムラーの決定に悩む開発者もいる。

   とくに欧州、米国、日本での排出ガス規制強化によりディーゼルエンジンの開発者は現在、引っ張りだこの状態にある。インドのタタモータースやヒュンダイなど、欧米日以外のトラックメーカーが、大型・中型トラックのグローバル販売シェアで1位のシェア20%前後を有するダイムラー・トラック部門や、2位のシェア10%程度を持つボルボトラックスを追いかけ、ダイムラーも安穏とはしていられない状況にある。ダイムラーの高効率経営とグローバル販売シェアの維持、さらにトップメーカーとしての見栄により、三菱ふそうの技術・技能の流出が懸念されている。

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