枝川二郎のマネーの虎
ひとり勝ちゴールドマン・サックス 2008年はどうなる?

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   夏以降のサブプライム問題をきっかけとした世界的な株安・債券安・ドル安で揺れた2007年。悔しい思いをした人は少なくないはずだが、こんなときにもしっかりもうけた人もいる。ゴールドマン・サックス、ソブリン・ウェルス・ファンド…。そんな2007年「勝ち組」の今後を占ってみることにした。

ゴールドマン・サックス(GS)
年棒平均7,300万円、GSはサブプライムでもうけた!

   アメリカの大手投資銀行がサブプライム問題で軒並み大きな打撃を受けるなか、唯一2007年に増益を果たしたのがゴールドマン・サックス(GS)である。世界中にいるGSの従業員はひとり平均65万ドル(7,300万円)の年棒(その多くはボーナス)を手にすることになり、ホクホクである。

   GSはどうやってもうけたか。GSは地理的、商品的にかなりバランスよくもうけているが、他社と差がついた最大の要因は、やはりサブプライム問題だ。他社が債券価格の下落で軒並み大損したなか、GSはそれらの債券を空売りすることで大きくもうけた。あるいは自身が運用しているファンドを底値で買って利益を得る、というのも得意技のひとつだ。これらについては「顧客と利益が相反する立場になってもうけるのはおかしい」という批判もあるが、GSは気にかける様子もない。

   GSは前会長のポールソンが米財務長官に任命されたように、政治に対する影響力も抜群だ。そのため2008年以降も良い業績を続けていく可能性が高い。ただし、彼らは自己勘定で大きくリスクをとっているため、思わぬヤケドを負う可能性もある。GSとて万能ではない。

ソブリン・ウェルス・ファンド(SWF)
2008年以降も大きく伸びていく

   ソブリン・ウェルス・ファンドとは、海外の株式等を運用するために国家が保有しているファンドのこと。現在、世界合計で300兆円ほどの資金がSWFにより運用されていると推測されている。これは世界のヘッジファンドの運用総額を凌駕する。このところサブプライム問題で打撃をうけたシティグループやUBSなどがSWFの出資を仰いだことで、俄然大きな注目を集めるようになった。中国やアラブの巨額な外貨準備を背景に、SWFは2008年以降も大きく伸びていくだろう。

   最近、わが国でもSWFの設立を呼びかける動きが出てきた。いままで何も考えずに米国債ばかり買っていたのからすると一歩前進だが、国主導による投資事業がうまくいったためしがない。実際、現存する各国のSWFの投資利回りも一部を除きかなり悪いとみられる。たとえば、ブラックストーンの株価が中国政府のファンドの出資を受け入れた後に大きく下がるなど、アメリカの投資銀行に「してやられる」ケースが散見される。日本版SWFをつくるのであれば、世界トップクラスの運用能力を備えることがその条件となろう。

商業用不動産
「銀座でまとまった土地が出たらカネをいくらでも出す」

   2007年はサブプライム問題で揺れた1年だったが、住宅を除いた不動産市場は好調だった。特に商業用不動産の価格は世界のほとんどの大都市で上昇した。

   しかし、物件の高騰によりニューヨークやロンドンの高層ビルなどではキャップレート(不動産の期待利回り)が極端に下がった。つまり、賃料がさらに上昇していくか、高く買い取ってくれる投資家が現われない限り、投資として引き合わないレベルにきた。

   そのため、東京の不動産が「比較的キャップレートが高い」ということで海外投資家にとって魅力的に映るようになった。あるヨーロッパ人投資家などは「銀座でまとまった土地が出たらカネをいくらでも出す」などと言ってくる始末。

   ところが、このところ都心でも一部で、とうとう賃料が下がりはじめた。これが相場の潮目なのか、あるいはサブプライム問題等による一時的な現象なのかは、冷静に判断する必要がある。

   筆者としては、都心に関してはキャップレートの水準からみて暴落の危険性は低いと考える。しかし欧米の主要都市の水準は明らかに限度を超えており、これから本格的な調整が始まるとみている。それが世界の金融市場にどう影響するかを注視すべき時期が近づいている。

++ 枝川二郎プロフィール
枝川二郎(えだがわ じろう)国際金融アナリスト
大手外資系証券でアナリストとして勤務。米国ニューヨークで国際金融の最前線で活躍。金融・経済のみならず政治、外交、文化などにもアンテナを張り巡らせて、世界の動きをウォッチ。その鋭い分析力と情報収集力には定評がある。


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