サポーター同士の「乱闘」 フーリガン生まれつつあるのか

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   浦和レッズとガンバ大阪のサポーター同士が演じた暴動は、「Jリーグで前代未聞」と報じられた。モノを投げ合ってケガ人が発生し、3時間以上もにらみ合う異常事態になったのはなぜか。

サポーターがフェンスをなぎ倒して乱入

お詫び文が出された浦和レッズの公式サイト
お詫び文が出された浦和レッズの公式サイト
「どこの中国だよ」
「フーリガンが生まれつつあるのか?」

   Jリーグを代表する2クラブ同士の騒ぎは、ネットにも波及した。2ちゃんねるでは、関連のスレッドが次々に立ち、その原因を巡って様々な憶測が飛び交っている。

   スポーツ紙各紙や両クラブの説明によると、浦和レッズの本拠地となる埼玉スタジアムで2008年5月17日行われた試合で、暴動のきっかけになったのはサポーターの行為だった。対戦相手のガンバ大阪のサポーター数人が、水風船、ペットボトルなどをレッズ側観客席に投げ込み、それが子どもらに当たった。レッズのサポーターは、この行為を非難して、謝罪を求め始めた。そして、レッズが2対3で負けると、双方のサポーターがモノを投げ合うようになり、サポーターが緩衝地帯のフェンスをなぎ倒して乱入しようとした。

   その後、レッズのサポーター約1万人がスタンド外に集まり、ガンバのサポーター約800人が取り囲まれてスタンドから出られなくなった。そのにらみ合いは最大3時間半も続き、ガンバ側が謝罪してようやく混乱が収束した。この暴動で、ガンバの男性サポーター(35)が溝に転落して右足首を骨折し、取材記者がシャツを破られた。両クラブは18日にホームページにお詫び文を掲載。レッズは運営責任を問われて、Jリーグから勝ち点剥奪などの厳罰を受ける見通しと報じられている。

   この暴動騒ぎについて、サッカージャーナリストの後藤健生さんは、

「フーリガンとはかなり違います」

と解説。そのうえで、暴動の背景をこうみる。

「Jリーグが誕生してから15年。過去の因縁が積み重なっています。ヨーロッパでも、どことどこが仲悪いということがあります。昔、有力選手を引き抜いたとか、暴動があったとか、いろいろ潜在的な理由はあると思います。日本でも、死者が出るまでいかなくても、小競り合いは年に2回ぐらい起こるようになるでしょう」

   レッズとガンバについては、互いに覇を競う存在だけに、「感情的なわだかまりがたまっていたのではないか」と後藤さんは推測する。

「選手も悪い」とサッカージャーナリスト

   5月17日の対戦では、試合そのものも主審の判定などを巡って荒れた雰囲気になった。

   各紙によると、前半終了間際、主審は、明らかに浦和ボールのスローインを大阪に与え、その直後に浦和は2点目を失った。しかし、抗議した選手にイエローカードが出されるなどし、試合後に、ある選手が「あんな判定では熱くなって殺してやろうという気にもなる」と息巻いたほどだった。

   さらに、試合後に、大阪の選手が円陣を組む勝利の儀式「輪になれ、なにわ」を行うと、浦和の選手が抗議してもみ合いになった。

   サッカージャーナリストの後藤さんは、こうした確執が試合後の暴動などを生んだとして、こう指摘する。

「選手も悪いんですよ。50メートルも離れた審判が、見えないミスをしたのは仕方がない面があります。むしろ、ガンバにスローインさせたディフェンダーが悪いんですよ。あそこは自分で取りにいけばよかった」

   さらに、円陣への抗議についても、「勝ったチームが喜ぶのは当たり前なんです。それに言いがかりをつけるのは、ちょっとおかしい。悔しかったら、大阪でやり返せばいい」と手厳しい。

   もっとも、後藤さんは、暴動が起きた根本には、警備の問題があるとみる。

「サポーターが、試合前からモノを投げ込んでいました。ピッチ上の選手の行動もあったのですから、もっとしっかり警備体制を敷く余裕があったはずです」

   ガンバのサポーターが3時間以上閉じ込められたことについても、行き届かなかった警備体制を指摘する。

「暴動が起こりそうなら、誘導しないといけません。ホーム側を退場させて、いなくなったらアウェー側を出す、あるいは逆にしてもいい。両者を接触させないようにやるべきです。毎試合の必要はありませんが、今回のような雰囲気の試合なら一つの方法になります。今後、こうした小競り合いが予想されますので、運営を考え直さないといけませんね」
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