長谷川洋三の産業ウォッチ
中台正常化:台湾国民党副主席が明かす本音

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「中台関係の正常化は、投資家だけでなく大衆の希望にかなうものだ」

   台湾の江丙坤(作字、土へんに申)国民党副主席は2008年5月5日、台北市内のホテルで私にこう強調した。5月20日に発足する国民党の馬英九政権は、中国との経済交流の拡大に力を入れようとしているが、江副主席は馬英九・次期政権で海峡交流基金会の理事長に就任し、対中交流の窓口となるだけに力が入っている。東京大学農学部を卒業し、日本の各界にも幅広い人脈を持つ。

   江副主席によると中台交流は「これまでの民進党政権下で不正常となっていた対中関係を正常化させることがねらい」と力説する。「台湾経済は民間消費の低迷と民間投資の減少により成長の拡大が見込みにくい。また投資率よりも貯蓄率の方が大きいなど、戦争への不安感がある。現在の経済成長は対中国投資や対中貿易が支えている要素が大きく、海峡間の緊張を緩和させ、安定した関係を築くことが持続した経済成長につながる」と指摘する。

中国からの観光客、4年後に360万人を期待

   まず着手するのが中台直行便の就航。7月から週末に直行チャーター便の運航を始め、一年後には毎日チャーター便を運行させる計画。これまでは香港経由などのフライトしかなく、不便だった。「直行便が就航すれば中国に滞在している百万人の台湾人の家族との往来も便利になり、仕事に励みが出る。中国からの観光客の受け入れも期待できる。また貨物船の直行便も始めるほか、客船の直行便も就航させる計画」という。

   中国の観光客の潜在需要は大きく、観光収入の増加も期待している。新政権では往来の自由化とともに受け入れ施設の拡充を進め、中国からの観光客は初年度で年間100万人、4年後には360万人を受け入れる計画だ。中国からの投資も期待している。

   「中台間の経済関係の正常化が進めば、土地使用権問題や税制問題など、中国で活動している台湾の企業家が直面している諸問題の解決を、個別問題としてではなく、双方の話し合いのパイプの中で解決できる。また相互に最恵国待遇を与える方向で話し合いを進めたい。ASEANプラス三の話し合いの場に入ることは難しいとしても、ASEAN各国とチャイニーズ台北などの名称でFTAを結べる可能性もでてくる」とも指摘する。しかし新政権の思惑通りことが運ぶかどうか。経済交流はともかく、外交問題では中国はこれまでの原則的な姿勢を改める気配がないだけに、過大な期待は禁物という声も少なくない。


【長谷川洋三プロフィール】
経済ジャーナリスト。BSジャパン解説委員。
元日本経済新聞社編集委員、帝京大学教授。BSジャパンテレビ「直撃!トップの決断」、ラジオ日経「夢企業探訪」「ウォッチ・ザ・カンパニー」のメインキャスター。著書に「ウェルチの哲学「日本復活」」、「カルロス・ゴーンが語る「5つの革命」」(いずれも講談社+α文庫)、「レクサス トヨタの挑戦」(日本経済新聞社)など多数。

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