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築地で近海魚通常よりやや割高 全国一斉休漁の影響

   2008年7月15日に行われた全国一斉休漁から2日たった17日、東京都中央区の築地場外市場にある鮮魚店ではイカ、サバ、サンマ、アジといった日本近海で捕れる魚類や高級魚のタイやカツオが品薄気味になり、販売価格も上がっている。

イカやイワシは品切れの店も

輸入物や冷凍もので品薄感を払拭。築地場外市場
輸入物や冷凍もので品薄感を払拭。築地場外市場

   日本近海ではこの時期、イカ、イワシ、アジ、サンマ、サバがとれる。身近な魚の入荷数が16日以降に減り、築地場外市場の鮮魚店では価格が上がっていた。するめイカが一匹200~300円、サンマ300~400円、アジ200~300円と、通常よりやや割高だ。生でのストックが難しいとされるイカやイワシは品薄感が強く、品切れの店もあった。近海で捕れる高級魚も少ない。3枚におろしたカツオは800円、タイとヒラメは500~1000円と高めだ。伊勢海老やアワビといった常時需要があるものは生け簀にあらかじめ取り置いていて、そのほかは輸入品や冷凍品で対応しているようだった。

「16日は近海もののが、17日はマグロの入荷数が減った」

   と話すのは、斉藤水産の斉藤善明社長だ。常時200種の鮮魚類を扱っているという同店では目立った品薄感はない。生け簀に確保していた活魚や輸入物、冷凍物も交えて販売している。今回のような1日の休漁であれば何とかなるが、「魚あっての商売なので、3~4日休漁されれば大変だ。また、店に魚が並ばなければ消費者も魚が食べられなくなる」と話していて、今後への不安を見せた。

築地市場 輸入品を通常より多く手配

   東京都築地市場水産農産品課によると、鮮魚類の入荷量は16日が前日より300トン以上も少ない377トン、17日はやや回復して576トンだった。担当者は、「16、17日と入荷量は減っているが、市場関係者の間では混乱した様子はない」と話す。理由はいくつかある。まず休漁が1日限定だったことだ。台風の時期にはだいたい3日間休むことがあり、それと比べても1日の影響は小さい。消費が落ち込む週中の水曜日に実施したことも関係している。週末にかけての実施だったら大打撃となっていた。また今回、全国一斉ということが大きなインパクトを与えたが、市場、流通関係には漁業団体から事前に知らされていて卸業者が輸入品を通常より多く入荷できるよう手配していた。実際、休漁の陣頭に立った全国漁業協同組合連合会も、消費者や流通に迷惑がかからないように配慮したと話している。