メガバンクの役員賞与 「そろり」復活の理由とは

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   メガバンクの役員賞与が復活した。三井住友フィナンシャルグループ(FG)と三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は2008年6月の株主総会で承認を受け、役員賞与を支払うことになった。バブル崩壊後の金融危機を、公的資金の資本注入と経営統合の繰り返しでなんとか乗り切ったメガバンク。とはいえ、サブプライム問題をきっかけに景気が後退、世間の風あたりは強そう。一人当たりの金額も昔に比べるとかなり少なく、復活も「そろり」といった感じだ。

三井住友680万円、MUFG1714万円

   三井住友FGは株主総会後、役員賞与を支払った。総額は5億7000万円。対象は84人で、一人平均約680万円になる。旧住友銀行では16年ぶり、旧さくら銀行では13年ぶりのことになる。

   MUFGは総額2億4000万円を上限に、14人を対象に平均1714万円を支払う。こちらは旧三菱、旧東京、旧三和、旧東海の4行がそれぞれに支払って以来13年ぶりの支給となる。

   一方、みずほフィナンシャルグループは08年3月期に6450億円ものサブプライム関連損失を計上したこともあって、役員賞与については株主総会の議案にもならなかった。

   大手銀行6グループの中では、いち早く公的資金を完済し、また滞っていた法人税の支払いを再開した住友信託銀行が04年夏から役員賞与の支払いを復活しているが、公的資金がまだ残っている、りそなホールディングスと中央三井トラスト・ホールディングスは支払われていない。

   みずほFGのサブプライム損失に象徴されるように、どの銀行も07年3月期と比べると収益状況はよくない。株価は低迷し、景気の後退感は強まる。預金者や株主への利益還元が十分でないことや、不良債権処理による税務上の欠損金を抱えていることを理由に、法人税を納めていないことなどの批判もくすぶる。

   「逆風」ともいえる中での復活について、三井住友FGは「3期連続の黒字決算で、今期も増収を見込んでいる」と、安定的に業績を上げられる状況になったことを説明。法人税の問題には、「いまだに法人税の納付を再開できないことについて、いろいろとご意見や批判があるのは承知している。しかし、この制度はすべての企業を対象とした制度であり、そのルールに則って対応している点を理解してもらいたい」と話している。

   MUFGも、法人税問題への理解を求めるとともに、株式配当の増配やコンビニATMの手数料無料化などを実施していて、引き続き「ステークスホルダー(企業の利害関係者)を重視していく」ことを強調する。

外資や自動車にくらべるとケタが違う

   そんな中で、「ひとケタ違うんじゃないか」と、銀行の役員賞与が1000万円にもならないことに驚きの声がある。

   金融危機の時代、銀行は「公的資金で救済されていながら銀行員の給与が高いのはおかしい」といった批判もあって、役員賞与の返上や役員報酬、行員の給与の引き下げを行った。バブル崩壊後の平取締役の役員賞与はゼロ、役員報酬でも年3000万円程度にまで落ちた。

   ある大手銀行の関係者は、「収益が上向いたときに公的資金が残っていて、どうにもならなかった。(賞与を)あげる大儀名分がなかった」と振り返る。

   国際金融アナリストの枝川二郎氏は1000万円に届かない役員賞与に、「ちょっと低いですね」と同情的だ。「日本を代表する銀行のトップとして、とても面目が保てる水準とはいえない」という。

   他の業界と比べても、たとえばトヨタ自動車は6月の株主総会で総額10億200万円の役員賞与が承認された。対象となる取締役は29人なので、一人平均3455万円に上る。外資系企業では1億円を超すのはめずらしくもないし、日産自動車のカルロス・ゴーン社長も1億円以上もらっていた。

   枝川氏はこう解説する。「上をみながら仕事をする若手にとって、上司の給料が上がらないと、自分の将来にも失望する。いまの30歳代が外資系企業に転職するのは、それもあってのこと。生涯賃金で考えると、いまの日本の銀行の魅力は薄れている」。

   復活したメガバンクの役員賞与、将来を背負って立つ人材を繋ぎとめておくためには必要だったのかもしれない。

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