上場廃止アジア・メディア前社長 中国でも資金流用事件の「前科」

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   東京証券取引所は2008年8月19日に、マザーズ上場の番組情報配信会社、アジア・メディア・カンパニー・リミテッドを整理銘柄に指定し、一か月後の9月20日上場廃止もあわせて決めた。上場廃止は、異例の速さとも言える。しかし、アジア・メディアの創業社長は以前も中国で似たような資金流用事件を起こしており、いわばいわくつきの人物。東証は今回の事件で中国企業の実体を見抜く能力の低さを露呈した。

   アジア・メディア社は東証が進めていたアジア企業誘致が初めて成功した中国企業。07年4月に上場したが、創業者の崔建平社長が連結子会社の定期預金を私的に流用していた問題が発覚して、08年6月に辞任した。

「上場を実現するまでには数十回の調査を受けた」

東証の責任を問う声もあがっている
東証の責任を問う声もあがっている

   アジア・メディア前社長の崔建平氏にまつわるスキャンダル報道は、以前にも多くあった。例えば、04年1月14日付の、中国の『証券日報』では、

「宏智科技社が03年9月22日以降、まず5000万元の預金を銀行によって移転され、その後に7000万元の融資を紛失し、さらに海通証券に預けた3400万元は行方が分からなくなった。同社の第二大株主は崔建平という人物である」

と報道した。

   少なくとも03年の宏智の資金流用事件に、崔氏はかかわったし、金額も1.54億元(約24億円)に上った。

   宏智科技は中国の株式市場では「600503」という番号で株式を上場している。巨額の資金流用が明らかになり、ブランド・イメージはかなり悪くなったが、その後も大した処罰を受けなかった。

   ほかに崔氏が関係した新智科技社、海豚科技などでも資金流用問題があった。にもかかわらず、崔氏が社長を務めたアジア・メディアは、難なく07年4月に東証に上場した。上場直後の取材では、

「日本企業は生真面目で、投資のために弊社を調べ、上場のためにまた調べに来た。上場を実現するまでには数十回の調査を受けた」

と得意げに言った。

日本の金融企業の調査能力に疑問

   日本企業に詳しいジャーナリストの顔志剛氏は、アジア・メディアの東証における上場と「退場」について、

「東証で上場している外国企業は、ピーク時の1990年代の127社から現在の22社まで減少したが、その歯止めとして中国企業の上場が期待されている」

と見ていて、08年に中国企業十数社が列を作って東証での上場を待っているとも明らかにした。

   もう一人のエコノミストは、東証、日本の証券会社の不備を指摘する。

「日本の金融会社には中国語のわかる社員がやっと数名いるようになったが、中国企業の特徴が分からず、企業を見分ける力、問題が出たらそれを速やかに処理していく能力などいずれも不足している」

と言い、日本の金融企業の調査能力に疑問を抱いている。

   外国企業の上場を積極的に進める東証は、アジア・メディアの上場を前提に審査したのではないか、といわれても仕方がないほどのお粗末ぶりだ。さらに上場の橋渡しをした野村証券などは、なぜ崔建平氏を見抜けなかったか。その責任を十分追及せず、「今、東証と一緒に1年あまり育てたアジア・メディアという『独草』を煎じて飲んでいる」とエコノミストは見る。

   13億の民が一斉に経済的な豊かさを求めるなか、市場ルールを無視する詐欺師やペテン師もまた多く現れる。それを中国では『独草』と呼ぶ。粉飾決算、資金の私的流用などは当たり前のように行っている中国。今度は日本まで場を移した形だ。東証は独草を育て、またすぐ切った。中国企業の実体を見抜く能力の低さを今回の事件で露呈したのは明白だ。アジア・メディアの上場を廃止するだけで、責任を逃れられるものではない。

   東証は08年8月1日、北京市公安局にアジア・メディアを資金流用という罪で刑事告発した。

 

(ジェイ・キャスト・北京)

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