金融政策決定会合の議事録初公開 政府と日銀の激論生々しく

2008/8/25 19:05

   日銀は金融政策決定会合の議事録を初公開した。対象は決定会合が始まった1998年1月から半年分。不良債権問題を背景に景気悪化とデフレの深刻化に直面した時期だ。政府が日銀に景気認識の修正を迫ったり、利下げをめぐって激論が展開されたりと難局に揺さぶられた日銀の姿が浮かび上がった。

「足を引っ張るレポートは避けてほしい」

   日銀の独立性確保を目指した改正日銀法が98年4月1日に施行され、その直後の4月8日に開かれた決定会合。政府代表で出席した尾身幸次経済企画庁長官(いずれも肩書きは当時)が、日銀の景気認識に難色を示し、強く修正を迫った。

   尾身長官がかみついたのは、日銀事務局が会合に提出した資料での「(景気が)マイナス方向に働き始めている」との景気認識。長官は「国民にマイナスの暗示を与える」として、「(政府が4月中に出す)景気対策の効果の足を引っ張るレポートは避けてほしい」「(景気回復に)勝負をかけて内閣の命運をかけた政策をやっている」と再三求めた。

   結局、長官の要求は受け入れられず、日銀は4月13日、「経済活動全般に下押し圧力が強い状況にある」との景気認識を発表した。長官の発言は改正日銀法の趣旨が政府に浸透していなかったことを物語る。

   ただ、日銀が厳しい景気情勢を必ずしも直視していたわけではない。5月19日の会合で日銀の山口泰副総裁は「向こう2~3四半期以内で景気は底を打ち、緩やかな回復に向かう」と楽観的な見通しを描いた。政府が4月25日に総合経済対策を決定し、秋には景気浮揚効果が出るとの期待からだった。

(続く)

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