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「被告席にいるような」星野仙一 球界からネットまでバッシング

   北京五輪で惨敗した星野仙一監督に、バッシングの嵐が吹き荒れている。楽天の野村監督からこき下ろされ、日本選手団長から指弾され、ネットでも散々叩かれる。何が悪かったのか。

「被告席にいるような感じ」

野球日本代表の公式サイト
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「野球なんか見るか!」「みなさんの前から消えますよ」

   野球日本代表の星野仙一監督(61)は2008年8月24日、帰国後のことを記者団に聞かれ、笑いながらこうまくし立てた。

   「金メダルしかいらない」と言い放ちながら、メダルなしに終わった星野ジャパン。ネット上では、空港で卵攻撃の予告が出るほどだっただけに、星野監督の表情はさえなかった。成田市内のホテルでの記者会見では、「被告席にいるような感じ」と戸惑いを隠さなかった。

   五輪では、選手の度重なる失策などもありながら、星野監督一人が叩かれている印象すらある。

   楽天の野村克也監督(73)は、プロ野球界では特に手厳しい。新聞各紙によると、大学の同期だった山本、田淵両コーチの起用に、「仲良しグループにした時点でダメだと思ったよ」。さらに、「投手出身の監督は視野が狭い」「データを使い切れてないんだろうな」と言いたい放題だった。また、球界ご意見番の張本勲氏(68)は、TBS系の「サンデーモーニング」で、「当然変えなくちゃいけないところで変えなかった」「(監督を)過大評価しすぎ」と痛烈に批判した。

   星野ジャパンは、日本選手団の中でも浮いていたようだ。選手らは体調を整えることなどを理由に北京の5つ星ホテルに宿泊したというが、福田富昭団長は総括会見で、選手村に入らなかったことを「特別扱い」と問題視した。さらに、星野ジャパンが8月に7日間だけ練習や強化試合をしたことに、合宿や海外遠征をするなど1年以上前から準備が必要だったと苦言を呈した。各紙では、韓国のように国際試合球の対策をしていなかったことに批判も出ている。

「チームに覇気がなかった」

   星野ジャパンが失速した理由について、スポーツジャーナリストの岡田忠さんはこうみる。

「一昨年3月のWBCで優勝した王ジャパンほど、チームに覇気がなかったし、まとまりがなかったということです」

   その理由として、まず選手やコーチの人選がよくなかったことを挙げる。

   3敗した岩瀬仁紀投手らが出身の中日からの起用で「情の采配」と批判されたことについて、岡田さんは、「岩瀬はずっとよくなかったので、どうして使ったんだろうと思いました。自信がなさそうで集中力に欠けていたので、信用し過ぎたことはあるでしょう」。3度もエラーしたG.G.佐藤外野手について、「守備力が怪しいのに傷口を広げたのは、監督の責任ですね」と話した。また、故障者が多く、ベストメンバーを選べなかったことも大きいという。

   さらに、岡田さんは、事前準備不足も指摘する。「国際試合球への対策はやるべきだったのではと思います。球界を挙げて、リーグ戦に持ち込んでもよかったでしょう」。

   ただ、福田団長の批判については、やや懐疑的だ。「1年もの準備は、理想論であって、プロの選手では難しい。それをすれば、大リーグのように選手を出さなくなってしまいます。プロは、個人でトレーナーと契約しており、必ずしも選手村に入ったからベストとはいきません」。

   星野監督は、明言を避けながらも、リベンジとして、09年3月のWBCの日本代表監督に意欲を示したとされる。