長谷川洋三の産業ウォッチ
UAE中央銀行総裁の本音:1バーレル60-80ドルでいい

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「原油価格が1バーレル=60ドルから80ドルで推移する限りUAER(アラブ首長国連邦)は高い経済成長を続けることができる。湾岸協力会議(GCC)諸国はインフラ投資を続け、成長を続ける」

   UAEのスウェディ中央銀行総裁は2008年8月28日、ドバイで開いた中東協力センター(会長根本二郎日本郵船名誉会長)主催による官民合同の中東協力現地会議で原油価格について控えめの見通しを述べた。原油相場はニューヨ-ク原油先物市場のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)が9月14日一時1バーレル99ドルを割るなど下降局面に入っているが、産油国としては、値下がりは折り込み済みという受け止め方が多い。

   中東協力会議では中東の経済誌ミード(MEED)のエドモンド・オサリバン総編集長も「原油価格は今年は頭打ちになるが、その後は再び上昇に転じる」と発言、原油相場が調整期に入っているとの認識を示した。しかし将来見通しについては「アルミや鉄鋼、石油化学などの高水準の投資は続き、住宅、建設などの川下部門も潤って雇用を創造、湾岸諸国の経済は長期的には堅調に続くと」長期的には強気だ。「ドバイの高層ビルブームなどを見ると不動産バブルを見ているようだが」という質問にも「投資にはたえずリスクがつきものだ。バブルだから投資をしないというわけにはいかない」と答え、バブルかどうかは投資家の判断によると退けた。

   9月に入ってからの原油安は新興国を含め世界景気の減速を背景にしているといわれるが、過度に集中していた投資マネーが離散し、世界の石油需給を見極めながら適正水準を模索している段階でもあるだけに、スウェディUAE中銀総裁の80ドル発言は産油国の本音に近いともいえそうだ。


【長谷川洋三プロフィール】
経済ジャーナリスト。BSジャパン解説委員。
元日本経済新聞社編集委員、帝京大学教授。BSジャパンテレビ「直撃!トップの決断」、ラジオ日経「夢企業探訪」「ウォッチ・ザ・カンパニー」のメインキャスター。著書に「ウェルチの哲学「日本復活」」、「カルロス・ゴーンが語る「5つの革命」」(いずれも講談社+α文庫)、「レクサス トヨタの挑戦」(日本経済新聞社)など多数。


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