長谷川洋三の産業ウォッチ
シェルグループCEOの視点:「必要なのは100年単位でいかに生きるかだ」

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「ニューヨークの金融界が混乱しているといってもたかだか2週間だろう。われわれに必要なのは10年、あるいは100年単位でいかに生きるかだ。しかも経済はきわめて不確実だ。その中で生きていくためには誠実なパートナーを持つことこそが重要だ」

   米証券大手リーマン・ブラザーズの破綻など米金融市場が大揺れのさなかに来日した有力メジャー(国際石油資本)ロイヤル・ダッチ・シェルの取締役でシェルグループの最高経営責任者(CEO)であるイェルーン・ヴァン・デル・ヴェール氏は2008年9月17日、東京都内のホテルで米国の金融危機について意見を求めた私にこう答えた。

   シェルグループは三井物産、三菱商事など日本企業と共同で開発中のロシア・サハリン天然ガスプロジェクトが順調に進んでおり、改めて日本パートナーとの良好な関係を意識した発言ともいえる。

   ヴェールCEOはまた、不確実性の時代にパートナーと共有したい厳しい現実として、第一に世界人口の増大とともにエネルギー需要が急速に増えていることをあげた。続いて第二にこの需要の増大に対応する供給サイドとしては石油もガスも入手するには技術が必要であり、政治的問題もあってこれまのように十分に供給できない点をあげ、代替エネルギー開発の必要を強調した。

   さらに第三の厳しい現実としてCO2排出量が科学者の予想以上に早いスピードで増えており、エネルギー供給の必要は増えているのにCO2を削減する答えはでていない現実を指摘した。しかしCO2問題はあらゆる環境問題を考えても取り組む必要があり、その解決のためのコミュニケーションを続けることの必要性を強調した。

   アジアの原油市場の指標となる中東産ドバイ原油のスポット価格は急落し、16日には1バーレル=86.35ドルと7か月ぶりの安値をつけた。しかし100年の歴史を持つシェルの幹部から見れば相場の乱高下は日常茶飯事。そんな目先にとらわれるより、10年、100年先を今こそ見るべきだという視点は歴史の中で生き残って者だけが語れる言葉でもある。

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