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大手スーパー値下げ合戦加熱 対象品目も率も拡大

   イオンやイトーヨーカ堂など大手スーパーが、「値下げ」を加速している。イオンは2008年12月13日から、254か店のジャスコで、冬物衣料を最大50%値下げするセールを展開。イトーヨーカ堂は12日から14日までの3日間、買い物した金額から最大30%をキャッシュバックするサービスを実施する。金融危機の影響や雇用不安などで、消費後退ムードが漂うなか、なんとか消費者にサイフの紐を緩めてもらおうと智恵をしぼる。

婦人用カシミアコートも値下げ

   イオンが展開する「緊急冬物値下げ宣言」セールは、最大50%値下げ、つまり「半額セール」だ。通常価格5万8000円の婦人カシミア100%毛付きロングコートを2万9000円、4980円の婦人フェイクムートンジャケットを2490円、プライベートブランドの紳士用フード付きダウンジャケット1万2800円を8960円に値引きする。クリスマス商戦に突入するなかで、ギフト用のマフラーや手袋といったアイテムもそろえた。

   すでにイオンは、食料品や日用雑貨などの価格を10%~30%値下げしている。また、12月13日と21日の2日間に、1万1000円分の「イオンギフトカード」を1万円で販売する「がんばろう日本!お買い物カード」の取り扱いも実施するなど、お買い得感を高めている。

   イトーヨーカ堂を展開するセブン&アイ・ホールディングス(HD)は、防寒衣料品を中心とした対象商品を買った金額から最大30%の現金を返すキャンペーンを実施する。11月28~30日に実施したキャッシュバック・キャンペーンの第2弾で、割引率を20%から30%に引き上げた。

   婦人・紳士・子ども用のジャンパーやコート、マフラーやクリスマスツリーなどを30%分、セーターやパンツ、紳士スーツ、こたつ用品やホットカーペットなどは20%分を返金する。

「がんばろう日本!」「不況突破企画」がキャッチコピー

   米国の金融危機に端を発する未曾有の景気後退に、大手スーパーは11月から値下げキャンペーンに突入している。当初売れ行きが鈍かった高額品や嗜好品に加えて、食料品や日用雑貨といった生活必需品にまで響いてきたことで、消費が伸びる年末に向けて「勢いをつける」意味合いがあった。

   「KY(カカク ヤスク)でいこう!」と大々的な公告を展開した西友は、親会社の米ウォルマート・ストアーズの商品調達網を活かした円高還元セールに加えて、12月4日からは店頭価格が他のスーパーのチラシの価格と比べて高かった場合は値段を安くする「他社チラシ価格照合」制度を導入した。

   他社が値下げすれば、追随しないことには集客力も落ちて売上げも上がらない。値下げ品目の対象を拡大するとともに、キャッチコピーも「円高還元」から「がんばろう日本! とことん価格」(イオン)「不況突破企画」(セブン&アイHD)と、生活支援を全面に押し出した。大手スーパーの値下げ合戦は、年末に向けてまだまだ加熱しそうだ。