長谷川洋三の産業ウォッチ
トヨタ社長人事:「創業の精神」とは一族への「大政奉還」?

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「原点回帰。創業の精神に立ち返って困難に立ち向かうようがんばります」

   トヨタ自動車の渡辺捷昭社長は2009年1月5日に東京都内のホテルで行われた日本自動車工業会など自動車関連団体の新年の賀詞交換会で何度となく「創業の精神」と「原点回帰」を力説した。豊田章一郎名誉会長の長男でトヨタ自動車創業者の豊田喜一郎の孫に当たる創業者直系の豊田章男副社長の社長昇格がうわさされるだけに、意味深長な発言だ。

   渡辺社長は08年末の記者発表会で2009年3月期の連結決算で戦後初となる営業赤字が1500億円になるとの見通しを表明、「世界販売が700万台(単体)でも利益が出る体制を構築する」と語り、これまでの拡張路線を大幅に修正することを宣言した。このときに合わせて力説したのが「原点回帰」。新年にはこれに「創業者精神」を加えた。豊田章一郎名誉会長も「戦後の復興期の苦しいときを考えれば今の困難もいつか来た道だ」と述べ、「創業の精神」に立ち返ることを賞賛した。

   トヨタ自動車の2008年の世界生産台数は923万台(ダイハツなどを含む)。米GM(ゼネラルモーターズ)の815万台を大幅に上回り2年連続で世界1位となった。しかし2008年の北米の新車販売台数は前年比15.4%も落ち込み、2009年3月期に900万台を見込んでいた世界販売台数を750万台に大幅修正するなど、世界一を手放しには喜べないのも本音だ。この際、トップ人事も創業一族回帰で気分を一新したい、ということなのかもしれない。


【長谷川洋三プロフィール】
経済ジャーナリスト。
BSジャパン解説委員。
1943年東京生まれ。元日本経済新聞社編集委員、帝京大学教授、学習院大学非常勤講師。テレビ東京「ミームの冒険」、BSジャパンテレビ「直撃!トップの決断」、ラジオ日経「夢企業探訪」「ウォッチ・ザ・カンパニー」のメインキャスターを務める。企業経営者に多くの知己があり、企業分析と人物評には特に定評がある。著書に「クリーンカー・ウォーズ」(中央公論新社)「ウェルチの哲学「日本復活」」、「カルロス・ゴーンが語る「5つの革命」」(いずれも講談社+α文庫)、「レクサス トヨタの挑戦」(日本経済新聞社)、「ゴーンさんの下で働きたいですか 」(日経ビジネス人文庫)など多数。


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