アカデミー賞本木が明かした 「納棺師」と「役者」の共通点

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   第81回アカデミー賞の授賞式が米ロサンゼルス・コダックシアターで2009年2月23日(日本時間)に行われ、本木雅弘さん主演の「おくりびと」が外国語映画賞を受賞した。本木さんが演じたのは新人「納棺師」だ。実際の納棺師から指導を受けて、「役者に通じるものがある」「ものすごい緊張感で大変ですね」という感想を述べたという。映画で注目を集める納棺師とは、どんな仕事なのだろうか。

「葬儀は一回きり。失敗したら取り返しがつきません」

   国内の映画賞をほぼ総なめにし、第81回アカデミー賞で外国語映画賞を受賞した「おくりびと」(滝田洋二郎監督)。本木雅弘さんが演じる主人公はチェロ奏者だったが、夢をあきらめて田舎の山形県庄内平野に妻(広末涼子さん)とともに帰る。そこでひょんなことから「納棺師」になり、仕事を通して人間として成長していく姿が描かれている。原作は青木新門氏の「納棺夫日記」(文藝春秋)で、青木氏自身が冠婚葬祭会社で納棺に携わった経験が元になっている。本木さんはこの本を気に入り、映画化を強く望んだという。

   映画を観て、初めて納棺という仕事を知った人も多いようだ。遺体を拭いて清め、着付け、メイクアップをし、きれいな状態にして棺に納める。事故などで遺体が傷ついている場合は、修復や復元もするという大変な仕事だ。

   映画で納棺技術を指導したのが、株式会社納棺協会(北海道札幌市)。現場に立ち会ったという堀江満取締役本部長は、こう語る。

「モデルの衣類を脱がせ、着付け、顔剃り、メイクの一連の作業を本木さんにやっていただきました。クランクイン前から練習を始め、山形のホテルでも熱心に練習をしていらっしゃいました」

   また、本木さんは納棺師と役者の仕事に、こんな共通点を見い出したという。

「葬儀は一回きりで、本番勝負。失敗したら取り返しがつきません。そういうところが役者に通じるものがある、とおっしゃっていました。また、限られた時間内に作業を進めなければならず、ものすごい緊張感で大変ですね、と感心されていました」

限られた時間で適切な処置施すには経験がものを言う

   なくてはならない、大切な仕事だが、周囲の誤解を受けることも多い。映画の中で、広末さん演じる妻が、夫が納棺師の仕事をしていることを知り、「けがらわしい」とののしるシーンがある。介護や看護の仕事に興味がある若者が納棺の仕事を知り、人の役に立ちたいと目指すが、家族に反対されて止めてしまうことは実際にあるそうだ。

   最近は葬儀屋が納棺をすることがあり、納棺師の仕事が減っている。

   納棺師の会社、オフィストウセ(富山県)に勤務する50歳の男性は、

「昔に比べて葬儀屋や葬祭場のスタッフが納棺をすることが増えて、今は1日1件仕事があればいい方です。きれいなご遺体は誰も処置できるため、事故などで傷ついたご遺体の方が多く回ってきます。警察で作業をすることもあります」

と明かし、映画で見るよりもキツイ仕事のようだ。

   片方の瞼がなかなかふさがらず、綿花を入れて、やや開きぎみに閉じさせたり、傷が有る顔にはリカバリファンデーションでカバーしたり、と遺体の状態によっていろんな処置をする。棺に入れるまで30~40分しかなく、迷っている時間はない。親族が見守る中、限られた時間で適切な処置を施さなければならず、経験がものを言う。

   大変な仕事だが、故人の最期に携われる仕事で誇りを持って働いている人が多いのも事実。男性は「これからも、気持ちの入った納棺を続けていきたい」と話している。

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