破たん新興企業の「無茶苦茶」 デタラメ情報開示が横行

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   不動産ファンド大手で、東京証券取引所に上場するパシフィックホールディングス(HD)の破たんや、民事再生手続き中の電子部品装置メーカー、プロデュース社長が証券取引法違反で逮捕されるなど、新興の問題企業のお粗末な実態が次々と明るみに出ている。景気悪化による業績悪化で、粉飾ギリギリの経理操作も横行しているようだが、上場企業が開示した情報さえ、信用できなくなっている現状は大問題だ。

わずかな間に株価が急上昇して大暴落

   パシフィックHDの経営破たんは、「資金繰りに行き詰まった」(織井渉社長)ことが原因だ。同社の資金繰りをめぐっては、2008年12月に中国の不動産会社から資本を調達する計画があったが、これがわずか1か月のうちに白紙になって、一気に窮地に追い込まれた。09年1月の決算発表で債務超過に転落、東証1部から2部に指定替えになっていた。

   監査法人が「監査不表明」としたが、その理由は債務超過に加えて、「中国マネー」を当て込んだ、12月に発表した増資計画の実現性を疑問視していたからとされる。

   この間の同社の株価は、08年11月末に約2200円だったものが、増資計画の発表を受けた09年1月には1万6000円台まで急回復。それが会社更生法の適用を申請した3月10日には1914円に暴落した。

   JASDAQに上場していたプロデュースの粉飾決算事件では、佐藤英児前社長ら4人が有価証券報告書の虚偽記載の疑いで、3月5日に逮捕された。粉飾は、伝票上のやり取りだけで架空の売買を繰り返す「循環取引」という手口で、05年6月期決算の売上高を実際の2倍の31億円余りを計上。純利益も、本当は赤字なのに1億2000万円近い黒字に水増ししていた。

   粉飾の手口もさることながら、好業績を演出する手腕にも佐藤前社長は長けていた。破たん直前まで、NHKや日本経済新聞などのマスメディアが「期待の若手起業家」などと持ち上げたほか、JASDAQも08年度の優良IR賞で表彰した。当時JASDAQは、同社のIR(投資家向け広報活動)を「会社にとってネガティブな内容であっても公表する姿勢には好感がもてる」「WEBにある経営者のメッセージは具体的で明確」と褒めちぎっていた。もっともその後、JASDAQは表彰を取り消した。

虚偽記載で「注意勧告」を受けたのは4社

   いったい上場企業の情報開示はどの程度信じられるのだろうか――。東証に上場する約2400社のうち、2008年に有価証券報告書の虚偽記載で東証から「注意勧告」を受けた企業は、真柄建設やIHI、丸善、ネットマークス(東証2部)の4社。このうち真柄建設は倒産した。

   東証の上場規程に基づく情報開示を行わず、「口頭注意等」を受けた企業数は、08年度は09年1月までに190件。04年度以降は259、238、150、299件と、200件を割ったのは06年度だけ。

   決算発表時に開示した情報に誤りがあって、後日訂正を届け出た企業数はここ数年、毎年2000件弱あるという。

   粉飾というよりも、その多くは「悪意」のない単純なミスなのだが、上場企業としてはあまりにお粗末だ。

   ある証券アナリストは、「四半期開示などで情報開示の機会が増えたので、企業の負担はかなりきつくなっている」と、企業を庇う。会計ルールの変更が重なって作業が煩雑になったこともある。

   しかし、業績をよく見せることで資金をかき集めるなど、「資金手当てで無理すると、そういったところから綻びが生じる。不況だと余計に無理せざるを得ない場面が出てくる」(前出の証券アナリスト)。投資家は注意するに越したことはない。

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