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不況で「1000円カット」に異変 女高生や主婦の利用急増

   洋服代を節約しても、女性は美容室や化粧品などの美容代はケチらない。そんな話はとうの昔になったようで、長引く不況のせいか、ヘアカット代を安く済ませる女性が増えている。男性が中心だった「1000円カット」を使い始める人が増え、女性の割合が10~15%から35~40%程度になったという店もある。パーマ、カラーが半額でできる方法もあり、美容室代節約の動きが広がりつつある。

女性の割合が10~15%から35~40%程度に

   全国に80店舗展開している理美容室「カットファクトリー」は、一律1000円で髪を切る。シャンプー、ブロー、髭剃りを省き、スピーディで低価格のサービスを可能にした。

   お客は男性の方が多いが、女性も増えている。同店を運営するジャパンプロデュースサービスの担当者は、

「開店して1年以内の店舗を中心に、女性の割合が10~15%から35~40%程度に増えています。子連れの主婦が多いですが、女子高生、20歳代、30歳代も利用しています」

と明かす。

   若い女性たちは、1000円カットをどのように利用しているのか。

「パーマ、カラーは半年に1回美容室、月に1回は1000円カットで切るというように、使い分けています。髪の量を調節したり、毛先をそろえたりするだけでも、パーマのもちは変わってきますからね」

   1000円カットチェーン「QBHOUSE」を展開するキュービーネットも、都内店舗や地方のショッピングセンターを中心に、若い女性の利用が増えている。

   同社は20分2000円でカットとブローをする店舗「キャトルボーテ」を、都内2か所で運営している。お客の95%が女性で、20歳代から50歳代までと幅広い。

「カットだけでも抵抗なく利用していただいていますし、20分あれば巻き髪など凝った髪型もできます。予約がいらないので、気軽に利用されています」

   新宿マルイ本館店に09年4月24日、3店舗目をオープンする。

カットモデルならカット、パーマ、カラーで半額以下

   一方、どうしても美容室で安くやりたい、という人に人気なのが「カットモデル」だ。見習い美容師の練習台なのだが、カット代はタダ、カラー、パーマは材料費のみでやってもらえる。失敗するケースもあるが、最終的にプロの美容師が整えてくれる。

   カットモデルになるには、募集している美容室を探さなければならない。最近はネットで募集をかけているところも多い。美容室の情報サイト「髪ネット・ドットコム」の掲示板には、「カットパーマモデル募集です」「無料カットモデル募集」「表参道の美容室でモデル募集しています」といった案内がたくさん書き込まれている。髪の長さなど、条件を満たさないと採用されないが、なかには条件がゆるいところもある。

   料金はカットが無料、パーマやカラーは材料費分の2000~3000円というところが多い。美容室の場合、カットで5000~6000円、パーマ、カラーとあわせれば1万円以上かかる。それに比べて半額以下で済み、お得感は大きい。

   節約のためにカットモデルでしか髪を切らないという女子大学院生の場合はこんな具合だ。

「アシスタントが切るカットモデル制度を利用して、月1回切っています。タダではありませんが、半額の2500円です。カラーは通常料金ですが、カット代だけでも大助かりです」