清水由貴子「介護自殺」 母親の認知症に「うつ状態」?

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   元タレントの清水由貴子さん(49)「自殺」の背景には、母親(80)の介護疲れがあるのではとの見方が強まっている。半年ほど前には、認知症の進行などで、母親が最も重い要介護度5と認定されていた。なぜ「自殺」を防げなかったのか。

「先週までほがらかで明るい笑顔」

清水由貴子さん「自殺」を伝えるスポーツ紙各紙
清水由貴子さん「自殺」を伝えるスポーツ紙各紙
「先週までの由貴子さんは、テレビで見るような、ほがらかで明るい笑顔だったと聞いています。私どもも関係した者も、みなショックを受けています」

   清水由貴子さんが1994年から母親と妹の3人で暮らしていた東京・武蔵野市の高齢者支援課担当者は、今回の自殺についてこう話す。

   新聞各紙によると、由貴子さんは2009年4月21日午後1時20分ごろ、静岡県内の霊園にある父親の墓前で倒れているのが見つかり、死亡が確認された。顔を入れていたポリ袋から硫化水素が検出されたため、御殿場署が自殺とみて調べている。近くでは車いすの母親が一時意識を失っていたが、病院に運ばれて命に別状はないという。死亡推定時刻は、前日の午後5時ごろだった。

   清水由貴子さんは、芸能界では、1977年に歌手デビュー。欽ちゃんファミリーの一員としても活躍し、同期の高田みづえさん、榊原郁恵さんとの「フレッシュ3人娘」として知られた。しかし、母親の介護専念を理由に、2006年3月に所属事務所を辞め、07年9月には芸能界を引退している。

   由貴子さんの母親は、デビュー当時から糖尿病や腎臓病を患って目などが不自由で、由貴子さんが世話をしていた。そして、武蔵野市によると、事務所を辞めた後の2006年10月に、母親が家の中で転倒し、腰の骨を折って歩けなくなったため、由貴子さんが同市に介護保険を申請。2番目に重い要介護度4と認定されて、リハビリなどの介護サービスを受けた。

   その後、母親は半年ほどで回復。07年3月の更新調査で、比較的軽い介護度の要支援2と判定されたため、自費でデイサービスを利用していたが、08年8月、家の中で再び転倒してろっ骨を折り、12月まで入院することになった。

「家族介護で、介護うつになる人も多いようです」

   再度のけがでショックを受けたのか、清水由貴子さんの母親は、入院中に認知症が進行してしまった。退院後も車いすの生活となり、入院中の介護保険申請で、母親は、最も重い要介護度5と判定された。

   そして、週5回、介護サービスを利用することになり、武蔵野市内のデイサービスセンター2か所に送迎を受けて通う日が続いた。家族の中では、由貴子さんが家で母親の介護をし、妹が仕事で家計を助けていたという。

   家族の負担も重くなったため、「自殺」4日前の2009年4月16日には、ケアマネージャーを中心に介護サービス関係者6人が、由貴子さんの家に集まって担当者会議を開いた。そこでは、今後の介護をどうすべきかについて、由貴子さんを交えて話し合った。当日の由貴子さんについて、武蔵野市の高齢者支援課担当者は、先述のような話をしたうえで、「介護に悩んだり疲れたりなど、特に変わった様子はなかったと聞いています」と話す。由貴子さんは、「ありがとう」と感謝の言葉を述べていたともいう。

   「自殺」が分かった21日は、デイサービスの担当者が朝に迎えに行って不在だったため、由貴子さんの携帯などに留守電を入れた。その後、帰宅した妹から聞いたところ、「母と姉は父のお墓参りに言ったと聞いています。キャンセルし忘れたのですかね」と話したという。

   武蔵野市の担当者は、由貴子さんの母親に対する介護支援について、「サービスを拒否することもなく、協力体制がありました」と説明する。重度の要介護状態になった母親が施設入所しなかったことについては、「市の在宅介護は充実しており、自宅でサービスを受ける人も多いです。施設に入るかは、それぞれの家族の事情があると思います」と話している。

   認知症などは家族の負担になっていることも多く、最近は「介護自殺」「介護殺人」が頻発している。

   日本介護クラフトユニオンの広報担当者は、「家族介護で、介護うつになる人も多いようです。要介護度5までいくと、在宅介護はなかなか難しいかもしれません」と言う。一方、認知症の人と家族の会の小川正事務局長は、「家族同士がつながればアドバイスで悩みが救われるので、由貴子さんもそうであったなら、とも思います。できれば、住み慣れた家で介護を受けるのがいい。しかし、日本では、在宅での家族支援は立ち後れており、そのためにも、介護従事者の待遇改善などが今後必要になってくるでしょう」と話している。

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