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「銀行預けるよりも社債買おう」? 利率5.1%「ホークスボンド」登場

   ソフトバンクの異色の社債が話題を呼んでいる。企業の社債には珍しくないが、特徴は、特典として所有する球団にちなんだ「ホークスグッズ」が付くこと。しかも、利率はなんと年5.10%と、異例の高さで、注目が集まっている。

全員にホークスのエコバッグがプレゼント

購入者には、抽選でホークス戦とホテルのチケットが当たる(写真は福岡Yahoo!JAPANドームとJALリゾート シーホークホテル福岡)
購入者には、抽選でホークス戦とホテルのチケットが当たる(写真は福岡Yahoo!JAPANドームとJALリゾート シーホークホテル福岡)

   ソフトバンクは2009年5月26日、「第27回無担保社債」の発行条件を発表した。年限は2年で、計600億円を発行。借入金の返済と社債の償還資金にあてられる予定だ。同社が保有している球団にちなんで「福岡ソフトバンクホークスボンド」という愛称が付いており、購入者全員にホークスのエコバッグがプレゼントされるほか、抽選で20組40人に2010年シーズンのホーム開幕戦のペアチケットと開幕戦当日のホテルペア宿泊券が当たる。

   この社債発行は、ソフトバンクがホークスを買収した直後の05年6月、同11月、07年4月に続いて4回目。それぞれ金利は年1.41%、1.36%、2.73%だったのだが、今回の利率は5.10%と、大幅に引き上げられている。なお、現在の大手銀行の普通預金の金利は0.04%で、定期預金でも1年もので0.20%~0.25%。

   このことから、ネット上では、「本気度」は不明ながらも、「銀行にお金を預けるよりもソフトバンクの社債を買おう!」という声すらあがっている。

大手企業は利率1~2%が多い

   この異例の金利の理由について、ソフトバンク広報室では

「主幹事証券と協議した上で、日本証券業協会の『売買参考統計値』などを参考に、市場実勢を踏まえた上で決定しました」

と説明する。また、この時期での発行に踏み切った理由については、

「リテール投資家の需要が大きいと見込んだため」

としている。

   この「売買参考統計値」とは、国債・市債・社債など、あらゆる債券の価格や利率をまとめたものだ。09年5月28日の資料では、2137銘柄の社債が掲載されているが、大手企業の利率は1~2%のものが多い。ここからも、「ホークスボンド」が、かなりの高利率であることが分かる。

   社債は普通預金や国債に比べてリスクが高いとされるが、異例の高利率に注目が集まるのは確実だ。ただ、申し込みは最低100万円から。ソフトバンクでは

「ホークスファンに限らず、どなたでもお買い上げいただけます」

としているが、一般にホークスファンにとって、簡単に手が届くというものでもなさそうだ。