新聞とらないと選挙公報が届かない! これは時代遅れのシステムだ

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   麻生首相が衆院解散を決断し、選挙ムードが一気に高まってきた。政権交代がかかった選挙だ。今度こそぜひ投票に行こうと思う人に、一つ気がかりなことがある。新聞をとっていないと、「選挙公報」が届かない場合があるのだ。

今は「全戸配布」のほうが主流

東京都23区のうち14区が「全戸配布」に移行している
東京都23区のうち14区が「全戸配布」に移行している

   選挙公報とは、候補者の写真やプロフィール、公約が掲載されている文書で、選挙管理委員会が発行する。すべての候補者の情報を一覧できるので、ふだん選挙のことを強く意識していない有権者には便利な情報源といえる。

   選挙公報は、公職選挙法にしたがって各地域の選管が配布する。ただ、選管の職員が直接配るのは現実的でないため、「新聞折込」で配達されるのが一般的だった。そのせいで新聞をとっていないと、選挙公報も受け取れないというわけだ。

   だが、20代、30代の多くが自宅で新聞を読まなくなっているご時世に、新聞購読者でなければ選挙公報が届かないのは不公平ではないか。そう思って、記者が住む杉並区の選管に聞いてみた。

「選挙公報を短時間で全戸に配布するのは物理的に無理があるので、新聞折込という方法をとっています。新聞をとっていない人のためには、区の施設や郵便局、銭湯などにも置いていますし、希望があれば直接送ることもしていますよ」

   ただ、何人かの杉並区住民に聞いてみても、選挙公報がそんな場所に置いてあることは知らなかった。ほかの区ではどんな対応をしているのか。試しに勤務地の千代田区の選管にも聞いてみた。するとなんと、千代田区では、郵送で全家庭に選挙公報を送っていた。

「もともとは新聞折込だったのですが、2007年の統一地方選挙のときから全戸配布に切り替えました。理由は、新聞購読率の低下です。特に若い人の購読率が大きく減っていたので、このままでは若い人に選挙公報を見てもらう機会が減ってしまうと考えました」(千代田区選管)

   実はこのような動きは、千代田区だけではなかった。東京都選管によると、いまではむしろ「全戸配布」のほうが主流なのだという。

「2007年ごろから全戸配布に移行する区が急増しました。千代田区のような人口の少ない区だけでなく、世田谷区や中野区のような人口が多い区でも全戸配布に切り替えていますよ」

サイトに選挙公報を掲載することができない理由

選挙公報が新聞と一緒に届けられる時代はもう終わった!?
選挙公報が新聞と一緒に届けられる時代はもう終わった!?

   東京都23区の選管すべてに取材してみると、23区のうち14区(千代田・墨田・品川・目黒・世田谷・渋谷・中野・豊島・北・荒川・板橋・足立・葛飾・江戸川)が、新聞折込から全戸配布へと移行していた。

   配る方法はさまざま。郵送(千代田区)のほか、シルバー人材センターのスタッフが配ったり(目黒区や葛飾区など)、ポスティング業者に委託したり(豊島区や北区など)といろいろだ。なかには、新聞販売店がすべての家に配達している区(墨田区や荒川区など)もあった。

   一方、従来どおりの「新聞折込」で選挙公報を配っているのは、9区(中央・港・新宿・文京・台東・江東・大田・練馬・杉並)と東京23区では少数派になっていた。 いまだに新聞折込にこだわるのは、「ポスティング業者などを使って全戸に配布するほうが経費がかかる」(文京区)というコスト面の問題が大きいようだ。しかし、「新聞折込派」も時代の流れは認識している。

「新聞購読率が下がっている現状からすると、全戸配布への移行を真剣に検討しなければいけない時期にきているといわざるをえませんね」(練馬区選管)

   ところで、若い有権者に選挙情報を届ける手段として、もっと効果的な手がある。インターネットだ。しかし、東京都23区でネットに選挙公報を掲載している自治体はない。

「選挙公報も選挙運動の一種といえるので、ネットでの選挙運動が認められていない現状では、サイトに選挙公報を掲載することもできないんです。必要性はわかりますが、法の整備が遅れているということですね」

   杉並区選管の担当者は、そう口にした。

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