富士重電気自動車の成否 トヨタ、ダイハツとの調整がカギ

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   車好きの心を捉えるスバルで知られる富士重工業が2009年7月、電気自動車(EV)「プラグインステラ」の販売を開始した。販売といっても一般個人ユーザー向けではなく、官公庁や東京電力、郵便事業会社などの企業向けで台数も2009、2010年度それぞれ170台とごくわずかにとどまる。7月に「iMiEV(アイミーブ)」を発売した三菱自動車が2013年度に3万台の販売を目指し、日産自動車が2012年度末に開始する米国のEV生産で、本格稼働時に15万台を見込むのと比べると試験販売の域を出ない。

ベース車の不在という決定的な弱み

   それもそのはず、軽自動車から撤退する富士重は11年度以降、どのような形でEV事業を展開するのか、まだ方向性を定めていないのだ。最大のネックは軽自動車生産から撤退を決め、コンパクトカーも生産していないためEVに適する自前の車両がないこと。富士重がEVを事業化するには筆頭株主であるトヨタ自動車、ダイハツ工業との連携が欠かせない。

   もともと富士重は限られた経営資源のなかで電動車両の研究開発に相応以上の力を割いてきた。トヨタと資本業務提携した2005年までは自社でハイブリッド車(HV)を開発していたし、EVも2005年に「R1e」を東京電力と共同開発するなど実証試験を重ねてきた。

   富士重は「R1e」の後継である「プラグインステラ」に培ってきたEV技術を投入した。航続距離は電池搭載量の違いでアイミーブを下回るが、充電した電気エネルギーをロスなく走行に使う効率性やシステムの信頼性、ブレーキ時のエネルギー回生などEVの基本的な性能に自信を持つ。

   しかし、そうした技術力の一方で富士重のEV事業にはベース車の不在という決定的な弱みがある。「ステラ」はいずれ生産中止になるため、本格的な事業化を目指すうえでベース車にはならない。だからといって富士重が新たにコンパクトカーの車台を開発するのは莫大な投資がかかるために現実的ではない。必然的にトヨタ、ダイハツの車両をベース車にするほかないということになる。

   EVに否定的と見られてきたトヨタだが、「iQ」をベースに近距離のコミューターを開発し米カリフォルニア州のZEV(ゼロエミッションビークル)法対策として市販化する。また欧州のCO2規制は2020年に走行1キロメートル当たり95グラム(燃費換算で24・5キロメートル/リットル)の長期目標を掲げており、トヨタもHVだけでなくEVも必要との認識を持ち始めている。

トヨタがEV商品化に意欲的になれば、協力関係を後押し

   スバルがEVを事業化するうえでトヨタのEVへのスタンスが持つ意味は大きい。トヨタがEVの商品化に意欲的になれば、スバルの技術の蓄積が魅力を増し協力関係を後押しするからだ。過去に鉛電池などでEVに意欲的だったこともあるダイハツは現在EVにほぼノータッチの状態だが、必要があればトヨタのリードのもとで3社が連携すると見られる。ダイハツは09年秋から富士重に軽自動車のOEM供給を始めることになっている。

   富士重のEV技術が、充電可能なプラグインHVに活かされる可能性もある。いずれにせよ富士重のEVの事業化はトヨタ、ダイハツとの調整抜きにはありえない。自社完結のプロジェクトに比べかかる工数は多く、相手の事情にも左右される。反面、実現すれば量産効果が期待できる。スバルらしいEVをファンが買える日は来るだろうか。

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