若者が望むのは「自分で発信できる人」 「永田町政治家」には期待しない
インタビュー「若者を棄てない政治」第6回/PPI理事・間中健介さん

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   民主党の優勢が伝えられる2009年夏の衆院選だが、若い世代は積極的に民主党を支持しているわけではないようだ。ほかに選択肢がないから、「とりあえず民主党」と考えているらしい。20代や30代の若者の政治意識を調査しているNPO「政策過程研究機構(PPI)」の間中健介さん(34歳)は「若い世代には不満のマグマがたまっている」と警告する。

若い世代の4割「新しい枠組みの政権」求める

「若い世代はそんなにバラマキを期待していない」という間中健介さん
「若い世代はそんなにバラマキを期待していない」という間中健介さん

――2005年から国政選挙や東京都知事選にあわせて、若者の政治意識を探るアンケートを実施していますね。

間中 PPIでは年に2、3回、インターネットを使って若者の意識調査をしています。今回は衆院選前の2009年7月に20代と30代の男女を対象にアンケートを行い、1028人から回答を得ました。前年9月にも同様の調査を実施していますが、そのときから大きな変化はありませんでした。見えてくるのは、現在の政治に対する不満・不信です。

――具体的にはどんな数字でしょうか。

間中 まず「どのような政権が必要か」という質問では、「自民党を中心とした政権」を望む人は、前回も今回も10%しかありません。若者に10%しか支持されていない政党が与党にいるということですね。一方で、民主党がきわめて高いかというとそうでもない。「民主党を中心とした政権」を選んだ人は、前回が14.7%で、今回は17.9%。ちょっと上がっていますが、2割に達していません。

――残りの人たちはどう考えているんですか。

間中 今回の調査でもっとも多かったのは「政界再編によって生まれる新しい政党による政権」で、26.7%です。次いで、「あてはまるものはない」を選んだ人が18.8%となっています。また「現在の国会議員以外が中心になって作る政権」というのも14.2%を占めています。つまり、既存の政党には選択肢がないという人が多い。選択肢がない中であえて選ぶとしたら、既存の枠組みを変えてくれそうな民主党、という感じでしょう。

   新しい政治への期待はすでに地方で現実化しています。今年になって、いくつかの自治体で30代の首長が続々と誕生していますし、東京都議選でも新人の20代、30代の候補が多数当選しました。若い世代にたまっている「不満のマグマ」が地方で噴火を始めている状態です。この流れは国政にもつながっていくんじゃないでしょうか。

総理にふさわしいのは東国原、舛添、橋下

――回答者の属性別にみると、特に主婦やサラリーマンに「新しい政権」を求める声が強いようですね。

間中 たとえば、専業主婦(主夫)で「新たな政権の枠組み」を求めている人は49.3%。全体平均の40.9%を大きく上回っています。それに対して、会社役員でそのように考えている人は27.8%と平均よりもかなり低くなっていて、逆に既存の政党を中心にした枠組みを望む傾向が強い。会社役員の人はそれぞれの組織で責任をとる立場なので、考え方が現実的なのかもしれません。

――アンケートの中でわかりやすいのが、「総理大臣にふさわしいと思う政治家」の質問です。1位は「存在しない」ですが、2位は宮崎県知事の東国原さんとなっています。

間中 3位以下も、いわゆる「永田町政治家」ではない人が上位に並んでいます。3位は厚労相の舛添さんで、5位と6位には、大阪と東京の知事をしている橋下徹さんと石原慎太郎さんが入っています。4位は小泉元首相ですが、これは別格ということでしょう。つまり、旧態依然とした国会議員じゃない人が上に来ている。これは「新しい枠組みの政権」への期待と通じるものがあります。

――上位の人に共通するのは、はっきりとものを言う人、話す言葉が明快な人という点だと思いますが?

間中 そうですね。議会の中で魑魅魍魎(ちみもうりょう)としているのではない人。業界団体とか労働組合とかをバックにしなくても、自分自身で発信できる人ですね。

――それに比べると、各党の党首は若者に人気がないですね。自民党の麻生さんは8位。民主党の鳩山さんはさらに低い11位で、同じ党の岡田さん(7位)や小沢さん(10位)よりも下になっています。

間中 麻生さんは前回(08年9月)の調査では19.5%の支持を受けて3位だったんですが、今回は6.1%の支持しかなくて8位と、急降下しています。期待は大きかったけれど、それに応えられなかったということでしょう。一方、民主党は鳩山さんよりも岡田さんが上にきていますが、岡田さんのほうが若く、まっすぐで正直そうなイメージが支持されているのかなと思います。

選挙は「人事権」を発動するチャンス

――政党の支持率と同じく、主婦やサラリーマンは「新しい政治家」への期待が大きいようですね。

間中 そうですね。東国原知事は、特に主婦やパート・フリーターから圧倒的な支持を受けています。一方で、会社役員の支持率1位は民主党の岡田さんで、続いて舛添さん、橋下さんとだいぶ違う結果になっています。

――なぜそのような違いが出るのでしょうか?

間中 東国原さんが主婦やフリーターに人気があるのは、やっぱり庶民の目線があると見られているからでしょう。あと、テレビの影響も大きいといえるかもしれませんね。逆に、橋下さんは会社役員の支持も高いですが、自営業の人から1位に支持されています。弁護士出身ということで、実務的な能力が評価されているのかもしれません。同じ大衆的な政治家といっても、東国原さんと橋下さんが違う層に支持されているのは面白いですね。

――PPIの調査からすると、今回の衆院選は政党を選ぶという意味でも、次の総理を選ぶという意味でも、若者にとって「本当の選択肢がない選挙」ということになってしまいますが、どのように考えたらいいでしょうか?

間中 たしかに本当に議員にしたい人は少ないかもしれませんが、投票することによってダメな議員を落とすことができる。政治のリーダーを決める「人事権」が我々にはあるんです。会社員の場合、嫌いな上司がいてもクビにすることはできません。でも選挙では、自分の意に沿わないリーダーを、20歳の人間でもクビにできるわけです。自分たちが人事権をもっているということを意識して、しっかりと考えたうえで、その人事権を発動してほしいと思います。

※インタビュー第7回は、人事コンサルタントの城繁幸さんの予定です。


間中 健介さん プロフィール
まなか けんすけ 1975年生まれ。法政大学大学院で経済学修士(イスラム経済理論)を取得。衆議院議員秘書を経験後、『愛・地球博』広報スタッフ等を歴任。政策過程研究機構(PPI)では広報担当理事を務めている。

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