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ブランド品会員制サイト続々 「グラムール セールス」が27日オープン

   不況下で消費者の節約志向が高まり、なかでも高級ブランド品の買い控えが目立つ。そんな中、人気ブランドをお得に買える会員制サイトが次々登場している。2009年8月27日には「ロンシャン」や「プラダ」など扱う「グラムール セールス」がオープンする。

「ロンシャン」「プラダ」「プジョー」が登場

吉川ひなのさんがモデルを務める「グラムール セールス」のサイト
吉川ひなのさんがモデルを務める「グラムール セールス」のサイト

   「グラムール セールス」は、レディース、メンズ、キッズウェア、バッグ、靴、ジュエリー、アクセサリー、化粧品、香水といったファッションアイテムのほか、シャンパンやワインなどの酒類、スウィーツ、車、ホテルの宿泊プランまで幅広く扱う。

   イベントセール期間はそれぞれ2日間で、毎日新しいブランドがお目見えする。オープン時はフランス製バッグの「ロンシャン」や伊ハイブランド「プラダ」のアイウェアなどのセールを行う。10月には仏車「プジョー」の207モデルも登場する。すべてブランドから直接仕入れている正規品だ。そのほか限定キットの販売や高級ホテルのスパ付きの宿泊パッケージといった、ここでしか買えないお得な商品もある。

   「グラムール セールス」を運営するGLS JAPANの創設者は、イベント会社、エモーション アジアを立ち上げたフランス人、オリヴィエ・シュヴェ氏とビジネスパートナーのアラン・スラス氏だ。高級ブランドはこれまでe コマースに積極的ではなかったが、最近は販売チャネルを広げようといろんなチャネルを模索していることに目をつけた。8 月1 日にルイ・ヴィトン ジャパンのセールス アンド マーケティング シニア ヴァイスプレジデントを歴任したフランス人のギョーム・ダヴァン氏がCEO として加わった。

   サイトのオープンに先駆けて報道陣向けの発表会が8月25日に行われ、GLS JAPAN CEOのダヴァン氏は、

「招待制のショッピングコミュニティで、販売するだけのカタログサイトとは異なります。お客さまにクオリティ、イベント体験、バリューの3つを提供するのがグラムール セールスです」

と話した。

   ブランド側にとっては、今までブランドのイメージを上手く表現してくれるeコマースサイトはなかなか見つけられなかった。しかし、グラムール セールスはブランドとともに価値を高めていく「ブランドパートナー」という考えを打ち出したこともあって、新しいチャネルが誕生した。

   「ロンシャン」のニコラ・ヴィレジェ代表取締役社長は、

「日本人がブランドから離れていっているという記事を見ますが、そうではないと思います。ブランド価値をうまく伝えれば買ってもらえる自信があります。ビジュアルのグレードが高く、情報もたくさん載っているグラムール セールスは、新しい顧客を取り込むことができると期待しています」

といっている。

ブランドのネット通販は好調

8月25日に行われたカンファレンスの様子
8月25日に行われたカンファレンスの様子

   サイトではブランドの紹介ムービーも配信する。「ロンシャン」のムービーにはモデルの吉川ひなのさんが登場する。

   日本未入荷の仏女性誌「テクニカート」の日本語訳を閲覧することができ、ブログや占いといった会員向けコンテンツも充実している。携帯サイトにアクセスすると、セール情報を携帯メールでリアルタイムに受け取ることが可能だ。待ち受け画面がダウンロードできる限定コンテンツもある。11月にはモバイルでも商品を購入できるようになる。

   不況の影響でブランド品が売れず、大手百貨店は売上高が軒並み2ケタ減と苦戦する一方で、注目を集めているのがブランド品を安く売る会員制サイトだ。米ギルト・グループが3月に日本にオープンしたサイトは、8月現在で会員が20万人を超えている。

   海外では「Vente Privee」や「RueLaLa」などのサイトがたくさんある。日本でも「グラムール セールス」のオープンを機に、ブランド品の新しい買い方として会員制サイトという選択肢が広がりそうだ。