「女性誌不況」どこ吹く風 宝島社余裕の「新聞全面広告」

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   宝島社が大手紙に出した全面見開きカラー広告が話題になっている。同社が発行する女性誌は発行部数が軒並み前年比60%増を超え、ブランド紹介本とオリジナル付録がついた「ブランドムック」は出すたびに売上げランキングで上位を獲得するという好調ぶりだ。女性誌の休刊が相次ぐ中で、宝島社の「1人勝ち」が一際目立っている。

全面広告、「朝日」「日経」「読売」「毎日」に掲載

大手5紙に出稿された宝島社の全面広告
大手5紙に出稿された宝島社の全面広告

   宝島社は2009年9月24日付け朝日新聞、日本経済新聞、読売新聞、毎日新聞、日刊ゲンダイに、全面見開きカラー広告を出稿した。人気漫画家の安野モヨコさんが描いた、今風のおしゃれな女性のイラストを片面に載せ、もう一面には「女性だけ、新しい種へ。」というキャッチコピーとボディコピーが書かれた企業広告だ。

   不況下でひと頃よりも広告単価が下がっているとはいえ、大手全国紙に見開きで出す場合、1紙あたり1000万円はかかる、と業界関係者は推測する。しかも、特定の商品を宣伝しているわけではないので、売り上げへの直接効果は期待できない。

   もっとも、宝島社は企業広告を1996年から毎年出している。同社は、「企業広告は毎年各新聞社の広告賞を頂くなど高く評価していただいています」とコメント。広告出稿を控える企業が多いなか、出稿先も08年と変わりはないと余裕の構えで、継続して出せるのは収益の出ている企業だからと言えそうだ。

   9月11日付日本経済新聞にも、全面見開きカラー広告を打った。ショッピングカートのなかに資生堂「マキアージュ」の口紅、日清食品のカップヌードル、キユーピーマヨネーズ、トヨタ自動車の「パッソ」のミニチュアなどスポンサーの商品が詰め込まれ、目を引くデザインだ。商品が売れる媒体として、クライアントの評価も高いようだ。

   また、9月から「sweet(スウィート)」「InRed(インレッド)」「spring(スプリング)」のテレビCMを放映するなど、宣伝活動を活発に行っている。

   出版不況のなかでこれだけの広告を出せるのは、それだけ売れているという証だ。発行部数は同社によると「スウィート」が対前年比63%増の70万部、「インレッド」は同比61%増の50万部、「スプリング」は同比63%増の50万部で、大幅に伸びている。

   07年の春頃から女性誌のマーケティングを行い、読者目線に立った紙面づくりをしている。ブランドアイテム(付録)が毎号ついているのも特徴だ。

   ブランド紹介本とオリジナル付録がついた同社の「ブランドムック」も売れている。若い女性に人気のブランド「シェル(Cher)」「キャス・キッドソン」「レスポートサック」などのムックが出ていて、9月15日にはカジュアル衣料「ユニクロ」のムックも発売した。出すたびに書籍売上げランキングで上位を獲得し、完売も続出している。

「宝島社は今まさに『攻めの時』」

   業界でも宝島社の全面広告で話題が持ち切りだ。

   出版業界に詳しい人物は、

「読者、クライアントへのイメージアップが狙いで、これだけ打つのも宝島社が今まさに『攻めの時』だからと言えます。他の出版社の場合、守りの印象が強く、全面広告は見ませんしね」

といっている。

   休刊する女性誌が続出し、全体でみるとマイナス基調であるにもかかわらず、宝島社は売れている。前出の人物は、

「毎号付録がついていることが購買の強い動機になっていると思います。次に読者がみるのは、役に立つ情報が載っているか、おもしろいか、という点です。企画もいいのでしょうが、宝島社の女性誌が取り上げている『ストリートファッション』が若者に人気だというのが売れている理由だと思います。載っている商品もひと頃の女性誌に比べたらそんなに高価なものではないですし、時代に合っている雑誌なのでしょう」

とみる。

   「スウィート」「インレッド」「スプリング」の発行部数は現在それぞれ前年比60%増。

「『with』(講談社)や『MORE』(集英社)が売れていた時代には発行部数の上限が80万部と言われていました。いずれも実売は9割ほどと好調でしたが、80万部より多くしなかったのは製作コストと収益のバランスがちょうどよかったからとみることができます。宝島社さんの上限はわかりませんが、限界に挑むんじゃないでしょうか。それもこれも、広告不調のなか、部数が多いほうに出したいと思っているクライアントを獲得するためです」
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