郵政見直しで日本通運「まいった」 「宅配」統合延期、株価下落

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   日本通運の株価下落が止まらない。2009年10月1日に予定していた日本郵便(JP)の宅配便事業との経営統合が、目前で頓挫したからだ。鳩山新政権は郵政民営化の見直しを掲げ、「延期」どころか「破談」の可能性もささやかれている。経営統合で宅配便最大手のヤマトホールディングス(HD)と、第2位の佐川急便を追撃するはずだったが一転、日通は厳しい事態に追い込まれている。

日通株、総選挙後に12%落ち込み

   2009年9月29日の東京株式市場は、前日に一時1万円を割り込んだ反動から買いが活発。日経平均株価は終値で、前日比90円68銭高の1万100円20銭で引けた。

   そんな中にあっても、日本通運の株価はさえない。同日は終値364円。前日比4円下がった。民主党が大勝した総選挙の翌日、8月31日の終値で416円あった株価は12.5%下落。以降、下落基調が鮮明になって、それが止まらない。

   ちなみに、ヤマトHDの9月29日の株価は前日比7円高の1447円だった(佐川急便は未上場)。

   こうした事態になったのは、鳩山政権が郵政民営化の見直しを掲げているためで、郵便事業も例外ではない。日通が34%、JPが66%を出資して設立していた「JPエクスプレス」(JPXP)は、麻生内閣時の佐藤勉・前総務相が準備不足と郵便業務への影響が不明確なことを理由に統合を「延期」したが、鳩山政権になって事態はさらに不透明になった。

   JPXPは現在、日通のペリカン便の事業のみを引き継いでいる。日通によると、「現時点で延期の方針に変わりはない」(広報部)という。JPXPはいわば、店ざらしの状況にある。

JP「ゆうパック」受け入れ準備でコストアップ

   日通が明らかにしているJPXPへの投資損失は38億円(09年4-9月期)。JPXPは10月1日の統合をめざしてきたため、人員や倉庫、車両などの配送体制を増強して、JPの「ゆうパック」事業の受け入れ体制を整えていた。

   すでに、これらのコスト負担が重石になっており、現状のまま運営していくだけでも2010年3月期には損失が100億円前後に膨らむとの予測もある。事業を続ければ続けるほど赤字が膨らんでいくわけだ。

   だからといって、元の鞘に納まることもむずかしい。宅配便業界はヤマトHDのシェアが38.7%、佐川急便が33.4%を占め、2社の寡占状態にある。第3位の日通(10.3%)と4位のJP(8.7%、いずれも08年度)が合流することで、2社に対抗するのが狙いだった。「ペリカン便」が日通の手元に戻ってきても、「いずれ上位2社のどちらかに吸収される」(証券エコノミスト)との見方が支配的だ。

   日通が7月31日に発表した業績修正では、JPとの統合が延期されたことによって、JPXPの収支計画を把握できないため、2010年3月期の経常利益と当期純利益を合理的に予測することはできないのを理由に、未定とした。

   しかし、岡三証券の予想では当期利益で14%減、経常利益は38%減を見込んでいる。同証券アナリストの宮本好久氏は「予想経常利益の悪化に歯止めがかからないことには、株価下落が止まらない」と、事態は深刻とみている。

   日通は「一刻も早く経営統合を認めてもらいたいし、そのための手を、前向きに打っていく。破談のことは考えていない」と話し、JPとともにこれから政府への働きかけを強めていくという。

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