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久しぶりレクサスが絶好調 ハイブリッド人気どこまで続くか

   トヨタ自動車の高級車ブランド「レクサス」の販売台数が3か月連続の2ケタ増と絶好調だ。2009年7月に投入したハイブリッドモデル「HS250h」のせいだ。この好調はいつまで続くのだろうか。

   自動車販売連合会が公表している「ブランド別新車販売台数」によると、レクサスの販売台数は、09年7月から3か月連続で前の年を上回っている。7月は6.0%増の1895台、8月は47.0%増の1745台、9月は31.8%増の3044台と順調だ。そして10月も52%増で約2400台に達すると見られている。

8月47.0%増、9月31.8%増、10月も52%増

2009年7月に発売されたハイブリッド専用モデル「HS250h」が人気を牽引している
2009年7月に発売されたハイブリッド専用モデル「HS250h」が人気を牽引している

   もともとレクサスの販売台数は、5月を除いては前の年を下回る苦戦を強いられていた。7月からは上向いたのは、7月14日に投入したハイブリッド専用モデル「HS250h」の登場による。燃費性能が1リットルあたり23.0kmで、同じクラスの「IS250」(11.8km/L)と比べると、およそ2倍というのが最大の特徴だ。

   SNS「mixi」内にある「HS250h」のコミュニティにある書き込みには、「とても静かで、中も広いので家族にも好評です」「新素材のファブリックシートの肌触りは非常にいい」「穏やかな車でかなり気に入りました」などとある。燃費性能に加え、走り心地の良さ、広く過ごしやすい車内が好評を得ているようだ。

   しかも、価格は400万円を切る395万円。発売当時はレクサスの中で最も安値のモデルだったこともあって、発売1か月で1万台の受注を受ける人気ぶり。販売目標の月500台もクリアした。現在は、生産や出荷には時間がかかっており、10月23日以降の注文分の納期は10年5月以降となる見込みだ。なお、購入者は50~60代以上が7割を占めているという。

   トヨタ自動車広報もレクサスの販売台数の伸びは「HS250h」の投入が大きく影響していると見ているが、これ以外にも、2009年1月に発売されたSUV車「RX350」、4月に投入した「RX450h」も好調だとしている。

新型「RX」シリーズが売り出された影響も

   ガリバー自動車研究所・所長の鈴木詳一さんは、このレクサス人気について、「トヨタ・プリウスが今年5月に発売され、ハイブリッドカーはドライバーの環境意識の高さ、燃費のよさからかなり人気があります。そしてエコカー減税や補助金の制度とあいまって、消費者の心をつかんでいるのは間違いなく、レクサス『HS250h』もその流れでしょう」と分析する。

   ほかにも好調の要因はある。「HS」シリーズは低価格設定のクラスで、購入者層が上位クラスよりも広くなる。また、前年は特徴的なモデルがなかったのに対し、2009年は新型「RX」シリーズも売り出され、車種のバリエーションが増えていた。これらの魅力が重なって、買い換えの需要が刺激されたようだ。

   では、レクサス人気はこのまま続くのだろうか。鈴木さんは「前年が低かっただけにしばらくは続くとは思うが」としながらも、「12月にはトヨタがハイブリッド車『SAI』を発売します。性能的には『HS』とはほとんど同じ。違いは、内装の豪華さでしょうか。『SAI』の最安モデルが338万円ですから、人によってはこちらに流れてしまうかもしれません。とくに地方は、レクサスの販売店が限られていますから、多少の影響が考えられます」と話していた。