「ネット中継大歓迎」 総務相記者会見も開放へ

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   外務省、金融庁と広がってきた「大臣記者会見オープン化」の波が今度は総務省にもやってきた。原口一博総務相は2009年12月8日、「インターネット中継、大歓迎です」と語り、記者会見オープン化に向けた強い意欲を表明した。大臣の提案を受けて、新聞やテレビでつくる「記者クラブ」がどう出るのか、対応が注目される。

   12月8日午前に総務省8階の記者会見室で開催された原口総務相の定例会見。55席ある記者用のイスの一つに、J-CASTニュースの記者も座っていた。ただ、外務省や金融庁の大臣会見とは違って、総務省の会見は記者クラブ主催という建前になっている。そのため、J-CASTのようなクラブ以外の記者が出席するためには、幹事社の了承を得なければならない。

「参加はいいが、質問はだめ」という奇妙なルール

「インターネットの中継、大歓迎です」という原口一博総務相
「インターネットの中継、大歓迎です」という原口一博総務相

   そのようなわけで前日までに幹事社に打診して参加許可をもらっていたのだが、そこには「参加するのはいいが、質問してはいけない」という条件が付けられていた。記者として会見に参加するのに質問できない――あまりにも不合理で、不可解なルール。「なぜ質問できないのか」。そう記者クラブの記者にたずねても、「理由はよくわからないが、制度だから仕方ない」という返事が返ってくるばかりだった。

   この奇妙なルール、日本では、総務省だけでなく財務省をはじめとする他の省庁の記者クラブでも広く実施されている。日本独特の封建的なシステムをみて、米ニューヨーク・タイムズのマーティン・ファクラ―東京支局長は「参加できても質問できなければ意味がないのに」とあきれ、記者クラブに関する記事のなかで「日本で最も力のある利権団体」と表現した。

   それでも会見場に行けば、直接、大臣に要望することもできるかもしれない。そう考えて、記者会見に臨むことにした。期待をかけたのは、原口総務相が就任まもない9月29日の会見で

「できるだけ国民、内外各位に開かれた記者会見をしたい」

と述べ、記者会見のオープン化をクラブ側に提案していたからだ。

   大臣の提案を受け、記者クラブでは何度も総会を開き、10月末に「記者クラブ以外のメディアにも会見を開放する」というオープン化の方針を決めた。しかし、どこまで参加を認めるのか、映像撮影も許可するのかといった具体的な運用基準で結論が出せず、いまだにオープン化にいたっていない。その辺りの事情について、クラブ所属のある記者は

「加盟社が多数あって合意形成が難しいうえに、各社の内部での調整も必要なので、どうしても時間がかかってしまう」

と弁解する。

   だが、役所主導でオープン化を進めた外務省や金融庁では大臣の指示があってから10日ほどで実施にこぎつけている。また、総務省と同様にクラブ主催の方式をとっている法務省ではすでにオープン化が実現しており、クラブ以外の記者にも会見参加と「質問権」を認めている。同省の会見参加の手続きをブログで紹介した中村哲治政務官は

「既存のマスメディアはいろいろな制約があるため、報道からこぼれ落ちてしまう情報がある。記者クラブ所属の記者から聞かれるのと、それ以外の記者から聞かれるのでは、大臣の答え方も変わってくるのではないか」

と記者会見オープン化の意義を評価している。このような他省庁の動きと比べると、既得権益を守るためにいたずらに時間稼ぎをしているとみられても仕方がない。

原口総務相「奇妙なルール」への感想を述べる

   結局、質問権は認められないまま、原口総務相の会見は午前11時すぎに始まった。記者の質問は、閣議決定されたばかりの追加経済対策から独立行政法人の「隠れ天下り問題」まで多岐に及んだが、原口総務相は言いよどむことなく一つ一つ丁寧に答えていく。しかしJ-CASTニュースの記者は、目の前に大臣がいるのに質問できない。歯がゆい思いでメモを取り続けながら、会見の成り行きを見守った。

   会見から約30分がたったとき、原口大臣が「よろしいでしょうか?」と会見終了の問いかけをして、クラブの記者が「ありがとうございました」と応じた。そのときだ。「大臣!」。J-CASTニュースの記者は思い切って手をあげ、発言を求めた。

「今日は『質問してはいけない』というクラブからの申し入れがありましたので、『質問』ではなく『問題提起』としてお話させていただきます」

   そう口火を切って、記者会見オープン化についての「問題提起」に及んだのだ。

「9月に記者会見をオープンにするという提案を大臣がされていますが、2か月以上たっても、まだ実施にいたっていません。金融庁では亀井大臣主催の会見が開かれていて、まさしくいまネットで中継されています。情報通信政策を主導する総務省として、また国民の平等なアクセスという観点から、もう一つ別に、クラブ以外の会見を開いたらいかがでしょうか」

   そう一気に話した。「質問」ではなかったためか、記者クラブの記者による制止はなかった。原口総務相は一瞬驚いた表情を浮かべたが、こちらの目をしっかり見て、話を聞いてくれた。そして、次のように発言したのだ。

「問題提起ということで、質問に答えるのはできないということですが(笑)、それも変な話です」

と「奇妙なルール」への感想を述べたうえで、記者会見オープン化についての見解を明らかにした。

「私は、すべての人にアクセスされるということで、記者クラブには『セキュリティの問題などをクリアーしたうえで、オープンにしてください』というお願いをしています。まだそのことが検討中なのだと思いますが、もうそろそろ70日を超えますので、どういうご決断をいただいたのかをうかがって、私たちの意図と違うのであれば、また話し合いを進めていきたいと思います」

   このように記者会見オープン化に向けた強い意欲を示し、最後にこう付け足したのだった。

「インターネットの中継、大歓迎です」

   原口総務相の発言によって、総務省の記者クラブは改めて宿題を突きつけられた形になった。記者クラブの記者たちの実行力が試される。

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