日銀が追加の金融緩和 政治への配慮で「君子豹変」

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   日本銀行が臨時の金融政策決定会合を開き、新たに10兆円規模の資金を市場に供給する金融緩和策の実施に踏み切った。日銀の白川総裁は、わずか11日前の会見で追加的な金融緩和には消極的な見解を示していたが、政府の「デフレ宣言」後の閣僚からの風圧や、中東ドバイの金融不安で急激な円高・株安が進んだ「ドバイショック」に外堀を埋められた形だ。

   日銀が2009年12月1日の決定会合で決めた新たな緩和策は、国債や社債など日銀の定める「適格担保」を差し出せば、政策金利(無担保コール翌日物)と同じ年0.1%で期間3カ月の資金を調達できる。日銀が12月から毎週1回、8000億円程度の資金供給オペを行えば、一巡する3カ月間で10兆円規模の資金が市場に流れるという計算だ。

菅直人副総理が「日銀にも協調して頂く」と露骨に圧力

   追加策が功を奏し、発表後の金融市場はひとまず円安・株高に動いた。しかし日銀は、政府が「デフレ宣言」を行った11月20日の決定会合では、景気判断を上方修正するとともに、白川総裁が会見で「物価下落の原因は需要不足」「流動性を供給するだけでは物価は上がらない」など、追加の金融緩和には慎重な姿勢を示していた。物価下落についても「デフレの定義はさまざま」として、現状をデフレ認定することを避けていた。「君子豹変」の背景に何があったのか。

   実は、政府は水面下で日銀首脳と接触、デフレ宣言後の「政策協調」を求めていた模様だ。政府はデフレ宣言を行ったものの、有効な対策を打ち出せてはいなかった。市場からは「同時に対策を講じないデフレ宣言は、企業や家計のマインドを冷やすだけ」(エコノミスト)との批判も出たが、税収が落ち込んで国債残高が膨らむ中、30兆円を超える需要不足を財政出動で埋めるにも限界があり、「日銀頼み」の様相を強めていた。

   「デフレ宣言」をした菅直人副総理兼経済財政担当相は「日銀にも協調して頂く」と露骨に圧力をかけ、「ドバイショック」に見舞われた11月27日には藤井裕久財務相が白川総裁と都内で会談した。この時点で日銀は追加緩和に舵を切ったと見られる。

   その後の日銀の動きは速かった。白川総裁は11月30日に名古屋市で行った講演で、それまで避けてきた「デフレ」の表現を使い「克服のため最大限の努力を行う」「(金融システムの)安定確保のために必要と判断される場合は、迅速・果敢に行動する」と強調。追加的な金融緩和に含みを持たせた。

政府が求めていた「量的緩和」の表現を使う

   それでも市場では、「12月17、18日の定例の決定会合まで日銀は動かない」との見方が大勢だった。日銀が約1年ぶりに臨時の決定会合を開いてまで追加策の実施を決めたのは、翌2日に鳩山由紀夫首相との会談を控えていたためだ。鳩山首相から要請される形で追加緩和に踏み切れば、「政治に弱い日銀」の印象が強まり、信頼性に影響が出る。このため、日銀の主体的な判断で動いたことをアピールしたかったようだ。

   一方、白川総裁は1日の会見で、今回の追加策を「広い意味での量的緩和」と説明。日銀が01年3月から5年間実施した量的緩和と異なり、今回は量を目標とせず、短期金利の低下が狙いであるにもかかわらず、政府が求めていた「量的緩和」の表現を使った。こうした政治への配慮とも受け止められる言動が、逆に政府の風圧を意識させる結果を招いたのも事実だ。

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