イオンの総合スーパー改革 出遅れで「背水の陣」

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   流通大手イオンが、グループの主力業態である総合スーパー(GMS)を売り場ごとに分社化するなど、抜本的な構造改革に着手した。消費低迷が長期化する中、問屋に頼ってきた従来のGMSは価格や品ぞろえなど、あらゆる尺度で顧客のニーズとかけ離れてしまったというのがその理由だ。

   岡田元也社長は2009年12月中旬、新聞各社とのインタビューで「GMSは消費者の8割が中流意識を持っていた70~80年代にできた事業モデル」と述べたうえ、「多くの日本人が貧しくなっている今の状況ではまったくの時代遅れだ」と自己批判した。

「自分で作って自分で売るのが当たり前だ」

   GMSは食品のほか、衣料品、日用雑貨などの住宅関連品と、一通りの生活用品がそろう身近な買い物拠点であり続けた。イオン傘下のジャスコやカルフール、マイカルなどはいずれもGMSの代表選手だ。しかし、衣料品では「ユニクロ」に代表されるファストファッション、インテリアでは「ニトリ」、家電では「ヤマダ電機」と、各分野で競合専門店が登場。GMSは品ぞろえでも価格競争力でも専門店の後塵を拝し、「何でもあるが、欲しいものは何もない」といわれて何年もたつ。

   イオンは09年9月中間決算で連結最終赤字に陥った。「いまの不調は不景気のせいだけではなく、我々自身の不適応、不勉強が原因」。岡田社長はそう反省し、今後の改革の方向性についても「ユニクロやニトリのような製造小売り(SPA)が一つの参考になる」と述べる。

   問屋やメーカーが売りたい商品を取捨選択して売るのではなく、自分たちで客のニーズを見極め、企画し、それぞれのメーカーに製造を委託するプライベートブランド(PB)商品の拡充を目指すと見られるが、岡田社長はあえてPBと言わない。「米カジュアル衣料のGAPやアバクロンビー&フィッチといった世界ブランドの商品はPBとすら言われない。自分で作って自分で売るのが当たり前だからだ」という意識があるためだ。イオングループのPBである「トップバリュ」も過渡的なブランドに過ぎないのかもしれない。

イオンにはグループを支える新業態がない

   衣・食・住の各売り場をどのように分社化するのか。そして分社化後の売り場がどのような姿になるかは、今後の課題だが、岡田社長は「客のニーズに応じて機動的に変化するのが小売りの当然の宿命。2年後にはまったく別の姿になっている」と説明する。

   イオンの最大のライバルであるセブン&アイホールディングスは、グループのGMSであるイトーヨーカ堂のうち、不採算店を量販店の「ザ・プライス」に業態転換したり、店舗閉鎖を加速したりしており、「最終的な狙いはGMS解体」(業界幹部)との観測もある。グループにコンビに最大手のセブン-ンイレブンという優等生を抱えるセブン&アイと違い、イオンにはGMSを支える別業態が今のところグループにはない。まさに背水の陣だ。

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