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世論調査は軒並み「辞任」求める 苦しい立場に追い込まれた小沢氏

   民主党の小沢一郎氏に幹事長辞任を求める声が強まっている。2010年1月18日付けの紙面に掲載した読売新聞の世論調査によると、「小沢辞任」の声は70%に達した。朝日新聞の調査では67%、産経新聞では70.7%という結果で、いずれも小沢氏には厳しい内容だ。

   16日に行われた民主党大会では、小沢幹事長は検察との全面対決の姿勢を改めて明確にし、鳩山首相も「続投」を認めた。半面、民主党内でも前原誠司国土交通相などが陸山会事件について「説明不足」を指摘。小沢幹事長の対応に不満をもつ議員も少なくない中で、党の「ご意見番」、渡部恒三最高顧問が17日のフジテレビの番組で「民主政治が世論に従うのは当然だ」と発言した。世論次第で小沢氏は辞任すべきだとの考えを示した形だ。

7割超す「辞職すべき」の声

小沢幹事長に世論は厳しい
小沢幹事長に世論は厳しい

   そうした中、「世論」が極めて厳しいことがわかった。読売新聞が16日、17日にかけて行った緊急全国世論調査によると、元秘書が逮捕されたことで、事件の責任をとって小沢氏が幹事長を辞任すべきだと思う人は70%に達し、「その必要はない」21%を大きく上回った。

   「幹事長職を辞任すべき」と答えた人に、「衆院議員を辞めるべきか」聞いたところ、70%が「辞めるべき」、25%が「その必要はない」と答えた。全体の5割弱が議員辞職も必要だと考えていることがわかった。

   同日の朝日新聞の調査では、小沢幹事長に辞任を求める声が67%に上った。「辞職は必要ない」との回答は23%。「辞職すべき」の声は、民主党支持層でも51%と半数を超えた。

   産経新聞とFNN(フジニュースネットワーク)の合同世論調査は、70.7%が「幹事長を辞めるべき」とした。陸山会事件について、「小沢氏の説明に納得できない」との回答はじつに89.5%に上った。また、「東京地検特捜部の強制捜査は適切」と回答した人も74.5%いた。

   小沢幹事長のお膝元である岩手県奥州市水沢区でも、河北新報社が17日、100人を対象に街頭アンケートを実施。55人が幹事長の続投を「支持しない」と答えた。

民主党の支持率も下がる

   小沢幹事長に向けられた世論の批判は、民主党の支持率も下げている。読売新聞によると、民主党の支持率は34%に下がり、自民党は20%と若干上昇した。支持政党のない無党派層は33%だった。

   朝日新聞の調べでは、民主党支持は36%で、前回調査時にあった40%台を大きく割り込んだ。自民党の支持は16%だった。

   産経新聞では、民主党支持は32.4%とこちらも前回調査と比べて下落。自民党は18.6%だった。

   陸山会事件をめぐっては、民主党内にも批判がないわけではない。世論と同様に、「説明責任を果たしていない」との声や、十分な党内調査もしていないのに「小沢氏を信じている」という鳩山首相を、安易すぎると感じている向きはある。

   また、小沢氏に遠慮して民主党議員らの口が重たいことが、党全体のイメージを悪くしていることもある。

   渡部氏はこれまでも、「国民の疑念に、できるだけわかりやすく説明するのは政治家として当然だ」と小沢氏に説明責任を果たすよう、発言していた。夏の参院選への影響を懸念する声も出はじめている。

   小沢氏はかなり追い込まれつつある。