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西武有楽町後継争い 山田、柳井の「YY対決」?

   2010年内に閉店する西武有楽町店の跡地に家電量販店最大手ヤマダ電機が出店の意欲を示していると報じられた。また、銀座周辺が安くて流行を取り入れたファストファッションの激戦区となっていることから、カジュアル衣料品店ユニクロが狙っているのではないかという説も浮上している。

   ヤマダ電機の山田昇会長は西武有楽町店の跡地について「魅力的で条件次第では(出店の)検討に値する」「(有楽町という)繁華街で1万5000平方メートルの売り場は魅力的。採算が合うならチャンスを活かしたい」と語った。2月9日付け日本経済新聞はこう報じている。

ヤマダ電機はビックカメラの近くに出店する

   JR有楽町駅前には競合のビックカメラの大型店がある。これまでもヤマダ電機はビックカメラの近くに出店するケースが目立つことから、今回も可能性があると見られている。

   ビックカメラが本店、パソコン館、カメラ館など5店舗を展開するJR池袋駅周辺に、ヤマダ電機は地上6階地下2階の大型店舗を09年10月にオープンした。2010年4月にはビックカメラが店を構えるJR新宿東口にも出店する。地上9階地下2階、売り場面積約8000平方メートルで、パソコンや家電など約80万点から100万点を扱う大型店だ。11年には新宿駅西口にもオープンする計画を進めている。

   西武有楽町店の跡地に出店する可能性について、ヤマダ電機広報担当者は、

「具体的な案件としては上がってきていません。会長の発言は、有楽町は商業地として魅力的であるという一般論をお話したまでです」 

といっている。

ユニクロ参戦説もうわさされる

   高級ブランド街だった銀座はここ数年で様変わりし、流行の衣料を安く販売するファストファッションの激戦区になった。中央通り沿いにスウェーデンの「H&M」、スペインの「ZARA」、日本の「ユニクロ」が並ぶ。2010年春には松坂屋銀座店にアメリカの「フォーエバー21」がお目見えし、フランスの高級ブランド「ルイ・ヴィトン」が出店計画を撤回した数寄屋橋交差点近くの「ヒューリック数寄屋橋ビル」には米カジュアル衣料の「ギャップ」が11年に大型店をオープンする。

   今度は勢いに乗っているユニクロが西武有楽町店跡に出店するという説も浮上した。「アエラ」10年2月15号の記事に「ヤマダ電機の山田会長とユニクロの柳井社長の『YY対決』になるのでは」という不動産業界関係者の話が載っている。

   一方、ユニクロの広報担当者は、

「社内で話は出ていませんし、考えてもいません」

と否定した。

   事業用不動産サービス会社シービー・リチャードエリス日本法人によると都内主要商業地のテナント料はリーマンショック以降、値下がりし、最高価格帯の銀座・中央通りや晴海通りに面した1階部分は08年の1坪12万~25万円から09年は月10万~23万円まで落ち込んだ。とはいえ、西武有楽町店の売り場面積は約1万5700平方メートルもあるので相当な額にのぼる。両者とも無関心を装うのは賃下げ交渉を有利に進めるためと見ることもできそうだ。