2024年 4月 26日 (金)

日経「電子版」ついに創刊 「特ダネ」無料は100字だけ

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   新聞業界の注目を集めた日本経済新聞の電子版が2010年3月23日、ついに創刊された。創刊当日の朝にはサイトが重くなるなど、ネット上での注目度は高い。もっとも、登録せずに無料で読めるのは紙面のうちのごくわずか。それも「特ダネ」は100字だけ。記者発表時に強調された「良質なコンテンツはダダではない」という方針が、早くも具体化された形だ。

   日経電子版をめぐっては、「成功すれば他紙も追随するのでは」との観測も根強く、創刊前日の3月22日夜にNHKで放送された「放送記念日特集 激震 マスメディア ~テレビ・新聞の未来~」の中でも、販売部数・広告収入が落ち込む新聞業界の取り組みのひとつとして大きく紹介されるなど、業界内の注目度は高い。

法人契約については問い合わせ多い

登録せずに無料で読めるのは冒頭100字のみだ
登録せずに無料で読めるのは冒頭100字のみだ

   だが、業界内で一様に指摘されてきたのが、その割高感だ。4月末までは無料で利用できるとはいえ、購読料は紙媒体と併読の場合で月5383円(セット版)、電子版のみの場合は4000円だ。一方、有料化で先行するウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)日本版の場合だと、1年購読契約で月あたり1380円。最も割高な1か月ごとの契約の場合でも、1月あたり1980円だ。なお、米国のWSJの場合だと、ウェブのみの契約だと1週間1.99ドル(180円)。仮に1か月を5週間で計算したとしても、9.95ドル(900円)だ。先行事例と比べても、日経はかなり強気な価格設定だ。

   日経新聞社の経営企画室広報グループによると、創刊時点での有料購読の申込数や、無料登録数は非公表。だが、経済月刊誌「ザ・ファクタ」10年4月号によると、3月1日の購読受け付け開始から1週間で、全体の申し込み数は1万5600人を突破したという。J-CASTニュースが3月中旬に法人契約について問い合わせた時も、「問い合わせが多く、実際にサイトが見られるようになるまでには時間がかかる」との答えだった。「こんな価格では誰も契約しない」という下馬評よりは、状況は良い様子だ。

   2月24日の記者発表会では、喜多恒雄社長は、

「『良質なコンテンツはタダじゃない』というのが我々の考え方。『ネット上の情報は無料』というこれまでの観念とは違う考え方で取り組んでいきたい」

と、「良い記事は有料」との方針を強調。創刊号の記事でも、この方針は鮮明に反映された。

有料購読者には、朝刊全内容を早朝4時に更新

   3月23日の日経新聞の紙媒体の1面トップは、「ゲイツ氏、東芝と次世代原発」。マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏が東芝と組んで、核燃料を交換せずに100年間以上も運転できる次世代原発の開発の乗り出す、という日経の特ダネだ。電子版の有料購読者には、朝刊の全内容を早朝4時、夕刊は15時半に更新することが「売り」の一つだ。この記事自体は電子版にも3月23日午前2時の段階で掲載されたものの、登録をしない無料読者が読めるのはこの記事の冒頭100文字だけだ。リード文すら全てを読むことはできない状態で、リニューアル前の「NIKKEI NET」よりも、無料で読める範囲は事実上狭まった形だ。

   日経側は購読に必要な「日経ID」の目標数について

「早期に50万IDを達成し、早めに100万台に乗せたい」

としており、今後どの程度有料購読者数が伸びるのか、引き続き業界内の注目を集めそうだ。

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